年の瀬が近づくと、パーティーバーレル・カラオケスタジオを予約する。もう、10年続いている「パーティーバーレルの会」だ。
窓の外には冬の東京の夜景が広がり、お台場で打ち上がる花火が空を彩る。雲が花火の前にかかり、光が柔らかくにじんで、いつもとは違う幻想的な表情を見せていた。レインボーブリッジの優しい光が、この特別な夜を静かに見守っている。
テーブルの上には、年に一度のお楽しみ——ケンタッキーの大きなバーレル。手作りのオニオンスープ。そして、歴代のKFCのお皿たち。このお皿のサービスは2023年に終了してしまったけれど、こうして毎年集まるたびに、同じお皿が食卓を彩る。
罪悪感なく頬張れるこの日を、私たちは一年間待っていた。
ドラムセットで思いっきり音を鳴らし、カラオケで声を解放する。日常では出せない感情を、音と歌に託して。そうして心が軽くなったところで、私たちは向き合う。2025年という一年に。
AIが投げかけてくる質問に答えながら、「未来の自分の在り方」を言葉にしていく。そしてテーブルを囲み、ペンを走らせる。
あるAIが選んだ漢字は「寂」。
一瞬、その文字にネガティブな響きを感じた人がいた。でもAIはニュートラルだ。「寂」を、静けさの中にある豊かさとして提示していた。
考えてみれば、これまでは「寂しさ」として避けてきた感覚も、満ちた人の場合、「寂静」という、心が落ち着く贅沢な時間なのかもしれない。
2025年まで恐怖に感じていた言葉が、2026年に本来の意味へと転じる。そんな変化の予感を、私たちはペン先に込めていった。
気づけば今年も9時間が過ぎていた。
きっと、こういう夜があるから、人は一年をちゃんと終えられるのだと思う。日常から少しだけ離れて、大切な人と時間を共有する。笑って、語って、振り返って。
「また来年!」そんな約束を胸に、2026年へと歩き出す準備ができた。
🖊 考察編
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