Dufyのバッグだから、Dufy風のインテリアの中に佇むモデルのモックアップを作ってみました。
窓の外にはヨットが浮かぶ海。ピンクの壁。花。光。
アート好きとしては、この世界に入ってみたい、とつい妄想してしまいます。
売れるようにしようとして、自分から離れていた
Etsyの商品ページのモックアップを見直していました。
最初の頃は、ただ楽しかったのです。
自分がデザインしたアートバッグを、旅先の街で持っているように見せたり、カフェや美術館に連れていくようなイメージを作ったり。
「こんな場所に持って行きたい」
「こういう風景の中にあったら素敵だな」
そんな気持ちで作っていました。バッグというより、映画のワンシーンを作っているような感覚でした。
そして2月の終わり、初めて注文が入りました。そこから毎週のように、ひとつずつ売れていきました。
広告らしい広告は出していませんでした。外部広告は動いていましたが、アクセス数自体は決して多くありません。それでも売れていた。
たくさんの人に見られていたというより、本当に好きな人が見つけてくれていたのだと思います。
ところが途中から、少し考え始めました。
「どうしたらもっと売れるんだろう?」
一度、Etsyの広告も出してみました。するとこんどは、「広告で見た人に、どうすればクリックしてもらえるだろう」と考えるようになりました。
私のバッグはダブルサイドになっています。片面だけではなく、両面違う絵柄を楽しめる。それが特徴です。
だったら、その特徴をもっとわかりやすく見せた方がいいのではないか。そう思って、バッグを二つ並べた画像を作りました。「両面楽しめます」「二つのデザインがあります」ということが一目で伝わるように、説明的な見せ方に変えていきました。
たしかに、わかりやすくなりました。
でも、不思議なことに、だんだん自分の中の楽しさが薄れていきました。そして反応も、思ったほど伸びませんでした。
アクセスはあっても、お気に入りが増えない。見られているのに、届いている感じがしない。
そこで、ふと思いました。
もしかして私は、売れるようにしようとして、自分の世界から離れていたのではないか。
バッグを二つ並べると、商品の特徴は伝わります。でも、そこには物語がありません。
説明するのをやめよう、と思った瞬間、ふと思い出したことがありました。
「エミリー・イン・パリ」で、エミリーがスクーターに乗っているシーン。肩にかけていたのはモナリザのエコバッグでした。
あのワンシーンを見て、猛烈に欲しくなりました。
すぐに、自分でプリントオンデマンドでデザインして、自分用に買って、そのまま日本のオンラインショップにも並べました。すると3日後に雑誌掲載の依頼が来るという、想定外の展開が! さらに、新しいシーズンがリリースされるたびに、今もたまにモナリザエコバックの注文が入るのです。これよ!
ドラマや映画の中で使われているものを見ると、人はつい欲しくなる。説明ではなく、世界ごと欲しくなるのだと思います。
そこから、パリの街でスクーターに乗る女性のモックアップのアイデアが生まれました。
そのモックアップを、映画が大好きなイギリス人の英会話の先生に見せました。大好評でした。このバイクが走っている動画も観たいとのこと。(笑)
私が作りたかったのは、バッグの説明ではなかったのです。そのバッグを持っている世界でした。
美術館へ行く日。旅先の街を歩く日。カフェに向かう朝。
映画の中の主人公みたいに、アートを日常に連れていく感覚。私はそういうものを作りたかったのだと思います。
売れるようにしようとすると、つい説明したくなります。特徴を見せたくなる。メリットを伝えたくなる。わかりやすくしたくなる。
でも、私の場合は、それをやりすぎると自分から離れていくのかもしれません。
もちろん、説明は大切です。でも説明だけでは、人は憧れない。
人が反応するのは、たぶん「これ、便利そう」だけではなく、
「この世界、好き」
「私もここに入りたい」
「こういうふうに持ちたい」
という感覚なのだと思います。
結局、一周回って戻ってきました。
自分が好きな世界を作る。自分が持ちたい場所に置く。自分が映画のワンシーンだと思えるものにする。
ただし、最初に戻ったわけではありません。
一度、売れるための説明に寄せてみた。広告も試してみた。反応を見た。違和感にも気づいた。
そのうえで、やっぱり自分の好きに戻ってきた。
だから今は、前より少し確信があります。私の場合、自分から離れない方がいい。売れるように作るより、自分が本当に好きな世界を作る方がいい。それが遠回りに見えて、たぶん一番近いのだと思います。
商品も、文章も、仕事も、たぶん同じです。
自分から離れたものは、うまく届かない。自分の好きに戻ったものは、どこかでちゃんと見つけてもらえる。
そんな気がしています。
広告の話をしているようで、人生の話をしています(笑)。
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