水曜日、エレベーターの中で知らない人に「そのTシャツいいですね」と声をかけられた。私が着ていたのは、GPTで生成したロボットTシャツ。それからショップを教えたら、1時間後にご購入いただいたのだ。だから、そのきっかけが、なにかのスイッチみたいに心に触れた。
“GPTさん、キャラにしたらいいかも”そう思いついた瞬間、もう頭の中にはスタンプの絵がいくつか浮かんでいた。そのまま、流れるようにプロンプトを打ち込んで、「アルゴアート 3」が1日で生まれた。
昨日申請したスタンプは、なんと今日、発売がはじまった。たった1日で。AIで、たった1日で作れて、審査も、たった1日。
何年も前は、1つ仕上げるのに、何日もかかっていたのに。いまは、すべての時間が快速に、軽やかに動いている気がする。
そして――今日は、もうひとつの夢に手を伸ばした。
「Robert復刻版LINEスタンプ」
2018年ごろ、私は、絵を描くのが得意ではなかった。それでも描かなくちゃならなくて、Robertという棒人間のキャラを英会話の先生が生み出したキャラを引き継いだ。
手も顔もないのに、どこかやさしくて、ちょっと不器用なRobert。彼は、わたしの「できない気持ち」の象徴みたいでもあり、でも「それでもやってみる」という勇気の形でもあった。
当時は、彼を動かすなんてできなかった。グラフィックスキルを学ぶ気もない。デジタルで描くようになって、随分進化できたとは思っていたけれど。
それから7年。いま、Robertは、AIという魔法をまとって、まるで自分の意志があるみたいに、ぴょんと動いてみせた。
プロンプトという新しい筆を使って、わたしはRobertを復刻している。「やあ、ひさしぶり!」そんな気持ちで、今日もスタンプを夢中で作っている。午前中からはじめて、6時間ほどでここまで出来上がった。
私は一切、描いていない。プロンプトを書いている。
AIといっしょに作るというのは、自分の中にずっとあった「こうなったらいいな」の気持ちが、ある日ふいに現実になることなんだと思う。Robertも、私も、たぶん、ちょっとずつ、未来に追いついてきたんだ。
19年間、ひとりで仕事をしてきた。どこまでなら自分でできるかを、何度も試して、そこから先は、「誰かの手」や「お金」がないと、どうしても届かないと感じていた。
でも今は、たった月20ドルでChatGPTがその「誰か」になってくれる。
一緒に考え、描き、整えてくれる。まるで、ずっと待っていてくれたかのように。あのころ、進めたくても進められなかったことが、今、いくつも動き出している。
だから思う。自分にできる最大限まで、やってきてよかったと。あのとき止まったままだった小さな夢たちが、いま、静かに息を吹き返している。
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