セブ Day 4 (前半)異文化との対話:書道、英会話、そしてハンモック

世界のモーニングブッフェ

モーニングブッフェのレストランは、大きな屋根のオープンエアーな空間で、プールサイドにあります。アジアの観光客から欧米の観光客まで、国際色豊かな雰囲気が広がっていました。世界中の料理が並び、ヌードルやおかゆ、春雨などのヘルシーで温かなアジアンフードも見られました。私はプールサイドに近い席を案内されました。

1泊目だったこともあり、無難にオムレツ、サラダ、パン、そしてフルーツの組み合わせを選びましたが、パンケーキやワッフルをお皿に乗せているのが見えて、どこかにパンコーナーがあるらしいと気づきました。レストラン広すぎなのです!

普段はパン食を控えているのもあり、旅行特権として、デニッシュやふんわりとしたパンもいただきました。これだけいろいろな食材があると、明日の朝食の楽しみにもなります! ここを2泊予約してよかったです。


書道セッションの始まり

朝食後、10時前に英会話の先生が私の部屋に到着しました。うまくジープニーなどを乗り継いでこられたようです!午前中は書道セッションを予定していたため、日本から持参した筆、下敷き、硯、墨などを準備しておきました。ちょうど良い高さの木のテーブルの上にセットし、すぐにレッスンを始められるよう整えました。

先生に「どんな文字を書きたい?」と聞くと、彼女は「Happiness Forever」と答えました。その言葉をもとに、「幸せ 書道手本」と検索し、最終的に「幸福」という漢字を書くことに決定しました。


書道はマインドフルネス

漢字を書くことも筆を持つことも初めての彼女のために、まずは漢字の画数を別の紙に書いて見えるようにし、次に筆の持ち方を教えました。私が最初にインストラクションを見せながら、筆の入り方、止め方、払い方を丁寧に説明し、実演しました。その後、彼女に筆の持ち方、墨の付け方、整え方を練習してもらい、一緒に一筆ずつ書きながら筆運びを体験してもらいました。

書道をしていると、改めて「静寂」の大切さを感じます。筆が柔らかいため、直角に持たなければ良い線が描けません。正しい姿勢を保ち、静かな時間の中で筆を動かすことが必要です。

私と一緒に筆を動かす感覚を掴んでもらった後、彼女一人で練習を始めました。「筆をまっすぐ!」「二度書きは禁止」「ここは力強く入れて」「ここは浮かせてから止めて戻す」といった具体的なアドバイスを何度も繰り返しました。書道では「一」を書くことですら難しく、彼女は半紙の空いているスペースで何度も練習しました。「一」が書けるようになったら、文字全体のバランスを見ながら、「ここは一番長いでしょ」「ここは次に長い」「こっちの方が短い」と細かく指導しました。お手本通りに筆を置いていく感覚を学ぶプロセスです。

集中力が求められるため、8回目のトライで「これをファイナルにしよう!」と声をかけ、仕上げに向けて集中力を高めてもらいました。開始から約30分が経過した頃、彼女の筆遣いは格段に上達していました。

彼女は本当に覚えの早い生徒です!初めてでこれだけ書けるのはすごいことだと感心しました。今回のセッションのきっかけは、以前の英会話レッスンで、毎年新年に姪や甥に「お書初めを教えている」という話をしたことでした。その話に興味を持ってくれていたので、「セブで教えますよ!」と思いつきで提案したのが始まりでした。

セッションの最後には、小筆を使って右下に英語でサインを書いてもらい、彼女の作品が完成しました。漢字と英語、さらに小さなハートのイラストが加わり、とても素敵な仕上がりになりました。日本文化を体験していただけただけでなく、私自身も書道の魅力とその奥深さを再確認できた、充実したひとときでした。


リゾートホテルでの散策

書道が終わってから、リゾートホテルを散策しました。憧れのハンモックが、樹齢200年ほどと思われる大きな木の下に2つ掛けられていました。私は初めてハンモックに挑戦しましたが、彼女は庭にハンモックがあるらしい!

ハンモックに横たわると、ただ身体を委ねるだけでソファーとは違うリラックス感を味わえます。宙に浮いているような、ただ重力を感じるような感覚が新鮮で、リゾート気分を満喫しました。そのハンモックを支えている南国の木の雄大さも印象的でした。

彼女にハンモックでの写真を撮ってもらったところ、Z世代らしく、一度のお願いで10枚近く連写してくれました!(笑) 角度やポーズを変えたおかげで、昨日の「天使の羽写真」に次ぐベストショットが撮れました。一人旅では写真を頼むことが少なく、いつも撮影側になることが多いので、今回のような体験はとてもありがたかったです。


昼食と英会話

リゾートを巡り終わり昼食の時間になりました。モーニングブッフェでしっかり食べていたため、そこまでお腹は空いていませんでしたが、ホテル近くの大きなスーパーマーケットに立ち寄りました。

彼女から「マンゴーヨーグルトジュースが美味しい」と勧められ、お土産としてプレゼントしてもらいました。さらに、レジが長いと思ったら、地元のスナック「Turon」まで買ってくれていました。20ペソ(50円)くらいだそうです。バナナを春巻きの皮で巻いて揚げた軽食で、初めての味に感動しました。

その後、トライシクルに乗ってホテルへ戻りました。初めてのトライシクルはアトラクションのような体験で、ノスタルジックな気分になりました。短い区間で料金は8ペソから10ペソ(約25円)と驚くほど安価で、フィリピンの日常を垣間見ることができました。

ホテルに戻り、マンゴーヨーグルトジュースとTuronを昼食としていただきました。オイリーながらも美味しく、自分では選ばなかっただろう地元の味に触れられて感謝の気持ちでいっぱいです。


食事をしながら、先生との英会話が始まりました。前日に、ChatGPTが「フィリピンの平均年齢は24歳で、ポテンシャルがある国だ」と話していた話題を振ってみると、彼女は「でも若い人たちの多くは国を出ようと思っている」と答えました。

フィリピンの主要都市には、欧米諸国のITコールセンターを担うオフィスビルが多く、コールセンターの仕事が一般的だそうです。また、看護師の資格を取得すれば、海外で働くことがほぼ保証されているような状況とのこと。教育分野では、英語が話せるフィリピン人が海外で英語教師として働く道も広がっているようです。

彼女自身は大学で教育学を専攻しており、「フィリピンの大学生活は厳しいが、だからこそ良い友達ができた」と話してくれました。しかしまだ、「海外に行くか、未来を決めかねている」とのことでした。

実は、彼女に宿題を出していました。それは、「今年の終わりの自分から、今の自分に手紙を書く」というワークです。その手紙は私が預かり、クリスマスの頃に日本から返送する予定になっています。彼女がこのワークを通じて、じっくりと自分自身と向き合った時間が、彼女にとって意味のあるものになればいいなと思います。

手紙を預かる際、封筒の封を閉じるために何かシールを貼ろうと、私のシール袋を見ていたところ、驚きの発見がありました。私が持っていたデイジーのシールと、彼女が私にお土産を渡してくれた紙袋の柄が偶然にも全く同じだったのです!この小さな偶然がとても嬉しいですね。

このように、彼女の話を通じてフィリピンの現状や若い世代の考え方を学ぶことができ、異文化理解の深まる貴重な時間となりました。


オンライン英会話レッスンの特別な時間

午後2時半、普段オフラインでお世話になっている英国人の先生とのオンライン英会話レッスンを予約していました。事前に「次回のレッスンはセブから繋げます!」と伝えていたので、なんだか特別な時間になる予感がしていました。それに加えて、私が親しくしている二人の先生が直接会話する瞬間を見たい、という思いからこの機会を作ることにしました。

時間がきてドキドキしながら新宿の先生に接続。「今セブにいます!フィリピンの先生もここにいますよ!」と伝えると、「ひとみから、あなたのことをいろいろ聞いていますよ」「私も、あなたのことを聞いていますよ」――そんな挨拶から始まった会話に、思わずニヤニヤしてしまいました。

その後、私たちはホテルの部屋を出てリゾートツアーへ。セルフィースティックをがついているスマホの画面に映る新宿の先生、小窓には私たちが映っています。そしてその背景はハンモック。ちなみに、英国人の先生も実家の庭にハンモックがあったそうです! その様子を記念にGoProで撮影してみましたが、後から見ると何ともシュールで、未来的な映像です。リゾート地の背景にスマホが浮いていて、そこに東京にいる人が映っているのですから!(笑)

パンデミック前まではオフラインレッスンしか選択肢がありませんでしたが、パンデミックをきっかけにオンラインレッスンが広がり、場所に縛られずに学べる便利さを実感しています。どこにいても先生とつながれることを思うと、オンラインレッスンにも臨場感や特別な価値があると感じます。以前、大阪を散歩中にレッスンを受けたこともありましたが、今回のように旅先でレッスンをするのはまた格別。ひとり旅な私にとって、40分間の英会話レッスンが先生と場所を共有する貴重な時間になりました。


フィリピンケチャップと映画の話題で盛り上がる

英国人の先生から「フィリピンの食べ物」についての質問があり、その中で話題に上がったのが「フィリピンケチャップ」。この話で大いに盛り上がり、結局お土産にフィリピンケチャップを選ぶことに。

さらに3人の共通点として「映画好き」という話題があります。英国人の先生はウエス・アンダーソン推し、そしてフィリピンの先生も彼の映画が気に入っているので、自然とその話で最後まで楽しい時間を過ごすことができました。私が念願していた「二人が直接話す姿を見てみたい」という夢が叶い、とても幸せなひとときでした。

新宿の先生からは、どのように我々が映っていたのでしょうか? レッスン後、以下のようなフィードバックをいただきました。

"It was so fun hanging out with you and Rachel! She's really lovely! You've found a great partner for exploring Cebu. I hope you guys have a fantastic time!!!"

このやりとりを通して改めて感じたことは、私は「人と人を繋ぐ」ことが学生時代から好きだということ。2025年の私は、未来のツールを通じて絶対接点のなさそうな二人をつなげています――この様子を、30年前の私に話したら、きっと驚くでしょう。(笑)


そして、私たちはサンセット目的も兼ねて、「オランゴアイランド」へ! 後半に続く…


★ホテル内のプライベートビーチです