満員のオペラシティが薄暗くなりました。いつものように付き添いの方がつきながら、89歳の誕生日を迎えたばかりのフジコさんが入ってこられました。ちなみに、フジコさんタバコ吸われますけど、ご健康そのものです!自分の使命に生きる力でしょうか。いつも半年先のチケットを買いながら、フジコさんがお元気であることを祈ります。今回は、9列目・18番席。センターの位置でした。
フジコさんにスポットライトが当たると、オフホワイトのオーガンジーのような素材の上に、スワロフスキーのようなキラキラした装飾のあしらわれた長めの羽織を着ていらっしゃいました。そんなクリスマシーなフジコさんは着席され、1曲目シューベルトの「即興曲集 第3番 変ト長調,D899,Op.90」を演奏されました。優しい曲調が、巨匠の優しいタッチでさらに会場を温かく包み込んでくれました。拍手が鳴り響き、フジコさんはマイクを手に取られました。
「遅れてきた方、どうぞお入りください」。いつもおっしゃるのですが、空気を含んだようなフワっとした声が温かくて、笑みがこぼれます。
そして、ショパン「ノクターン 第2番 変ホ長調 Op. 9, No. 2」からの「エオリアンハーブ」。フジコさん独特な、ジワジワくる「革命」。最近は、だいだい同じ曲目なので、フジコさんのコンディションがわかります。今日は絶好調です!
といいつつ、曲と曲の間に、手をぶらぶらっとさせるしぐさを見せて、私たちを笑わせてくれるなんて、巨匠ならではです。でも本当に手が結構痛いのではないかと思ってしまいます。
休憩挟みまして、第2幕へ。フラワリーな派手な衣装で入ってこられました。会場は、かわいいー!という感じのため息に包まれました。黒地にオレンジ・赤などの大き目の花がデザインされ、上着の裾のほうには、黒いファーのような、サンタクロースで言うと、上着の下の方が白い綿で囲われているような、あんな感じの黒いフリルが何ともかわいらしいです! 衣装でも楽しませてくれるピアニストは、フジコさんならではです! と、衣装の説明を書いておきながら、やはり伝わらないと思い、イラストに起こしました。1時間以上かかりました。(笑)
いつものようにドビュッシー「月の光」、ラヴェルの「亡き王女のためのパバーヌ」など、しっとりとした曲を経て、リストへ。「ハンガリー狂詩曲 第2番」がものすごかったです! スピード感あふれる、トムとジェリーの曲です。
何かが降臨したのではと思うほど、指が自由自在に動いて、衣装の花が、舞いっぱなしの、元気いっぱいの演奏でした!まだまだ弾けるぞと確信しました。奇跡の89歳。本当に尊敬します!自分もそうやって、社会活動ができている奇跡の89歳になりたいです!それには逆算して、今からしっかりと人生を設計しないといけないですね。インスパイアされました。
来年4月のコンサートチケット(東京)は、12月18日先行予約開始のようですので、フジコさんのWEBSITEを要チェックです!
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