今週、Etsyショップの動画を一気に作り直していました。
Grokの3日間無料トライアルを使って、バッグの商品動画を作っていたのです。
私のショップでは、表と裏で違うデザインのバッグを作っています。
ひとつのバッグで、ふたつの絵画を楽しめる。
でも、静止画だけだとその良さが伝わりにくい。
そこで、モデルがバッグを持って歩いている動画を作ることにしました。
片面を見せて、歩いて、反対側のデザインも見える。
それだけで、「Two Designs in One」というコンセプトがかなり伝わりやすくなりました。
その動画を、英会話の先生に見せていました。
私は毎週、英会話のレッスンで、最近作ったものを先生に見てもらっています。
メールレター、Kindle本、講座のLP、AIで作った診断、Etsyショップ、動画。
英語のレッスンというより、最近は私のAI制作進捗報告会のようになっています。
今回も、「この動画を見て」「これも変えた」と、ほとんどすべての動画を一緒に見てもらいました。
すると先生が、ふと言いました。
Just noticed something. All your models are white women.
一瞬、止まりました。
え?
と思いました。
でも、画面を見直すと、その通りでした。
私の作ったモックアップ動画のモデルは、ほとんど白人女性だったのです。
AIに「ラグジュアリー」と言葉を入れると白人が自動的に生成されていたのです。
しかし、私はまったく気づいていませんでした。
ただ、ショップを綺麗に見せたいと思っていました。
アートバッグらしく。
シンプルラグジュアリーに。
海外の街角のように。
美術館帰りのように。
上品に。
そういうイメージでAIに指示を出していました。
すると、自然と白人女性モデル、しかもブロンドヘアのモデルが多くなっていた。
それを私は、何の違和感もなく見ていました。
ここで気づいたのは、私の中にある「海外っぽい」「ラグジュアリーっぽい」「洗練されている」というイメージが、かなり古いテンプレートに寄っていたのかもしれない、ということでした。
日本にいると、海外っぽいビジュアルというと、無意識に白人モデルやブロンドヘアを思い浮かべやすいところがあります。
映画。
広告。
ファッション誌。
昔から見てきた海外ブランドのビジュアル。
そういうものが、自分の中に「海外っぽさ」の初期設定として入っていたのかもしれません。
しかもAIは、それをとてもきれいに出力してくれます。
「海外の街角で、シンプルラグジュアリーなモデルがバッグを持って歩いている」
そんなふうに指示を出すと、AIはそれらしい画像や動画を作ってくれる。
でも、その「それらしい」の中に、自分の無意識の偏りが含まれていることがある。
ここが、今回とても面白く、少し怖いところでした。
AIを使うと、制作スピードは一気に上がります。
自分ひとりでは作れなかった世界観も、短時間で形になります。
でも同時に、自分の中にある見方や前提も、そのまま拡大されます。
自分の「綺麗」の基準。
自分の「海外っぽい」の基準。
自分の「上品」の基準。
それが更新されていなければ、AIは古いテンプレートまで美しく整えて出してしまう。
先生に言われたあと、よく見ているZARAのアプリを開いてみました。
すると、かなり多様でした。
白人モデルだけではなく、黒人モデル、アジア系モデル、ラテン系に見えるモデル、いろいろな人が自然に並んでいました。
しかも、「多様性を入れています」という感じではなく、それがもう普通の世界観になっている。
むしろ、ブロンドのモデルのほうが少ないくらいでした。
そこでまた驚きました。
私の中にあった「海外っぽさ」は、少し古かったのかもしれません。
そこから、Etsyショップの動画にも、少しずつ多様なモデルを入れることにしました。
ただし、「多様性を入れました」とわざとらしく見せるのではなく、ブランドの世界観の中に自然にいる人として。
マティス、パウル・クレー、マネ、デュフィのような、色や線、ムードのある作品を集めた動画に、多様なモデルを入れてみました。
すると、とても自然でした。
むしろ、そのほうが今っぽい。
「Tokyo to the World」というショップの方向性にも、こちらのほうが合っている気がしました。
今回の先生の一言は、まさに構造を返してくれるフィードバックでした。
「ダイバーシティが足りないよ」と責められたわけではありません。
ただ、
All your models are white women.
と、画面に出ているパターンを返してくれた。
個別の画像ではなく、全体に繰り返し出ている構造を見ていたのです。
だからこそ、一瞬で気づきました。
これは、自分ひとりでは見えていなかったことでした。
面白いことに、この先生は、ALL EARS 講座の案内の中の「シルキーフィードバック診断」の案内役である Simon Silkier を作った人でもあります。
そして今回、いちばんシルキーなフィードバックをくれたのも、その先生でした。
責めずに、でもぼやかさずに。
見えている構造を、ただ返す。
それだけで、こちらの見え方が変わる。
AI時代には、ツールを使う力が大事だと言われます。
でも、今回改めて思ったのは、外から見てくれる人の存在も、同じくらい大事だということです。
AIは、私の指示に応えてくれます。
でも、私の指示そのものにある前提までは、必ずしも指摘してくれません。
自分が何を当然だと思っているのか。
何を「上品」と見ているのか。
何を「海外っぽい」と思っているのか。
誰を、その世界の住人として想定しているのか。
そこに気づかせてくれるのは、人間の視点でした。
AIで作る時代は、自分の世界を一気に形にできる時代です。
でも同時に、自分の無意識も一気に形になってしまう時代です。
だからこそ、誰かに見てもらうこと。
違う文化圏の人の視点を受け取ること。
そして、自分の見方を更新していくこと。
それが、これからますます大切になるのだと思います。
AIが表現を広げてくれる。
人間のフィードバックが、見方を広げてくれる。
今回の出来事は、その両方を感じた時間でした。
そして、ショップのメインの動画は、ダイバーシティを意識して、手直ししました。むしろその方が今の時代の空気に合っていました。さすが、サイモン・シルキアの生みの親。だからついつい13年間、先生を指名してしまうのです。
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