書道というのは、言ってみれば「模写」のようなものです。私も毎年、姪や甥たちに書道を教える中で、「模写のポイント」を伝える機会が多く、自分自身も自然と「模倣する」意識が高まっているのを感じます。
先日、甥が小筆で自分の名前を書いているとき、普段気づかなかった癖がいくつも現れました。たとえば、ある線が思った以上に短くなっていたり、小さく収めるべき部分がそうならなかったり。彼自身も「自分の文字にはこんな特徴があったんだ」と気づいたようです。
このエピソードを通して、ふと考えました。多くの人は、自分が書く文字を思い込みで形作っているのではないでしょうか? 普段無意識に書いているからこそ、自分の書く線や形の「実際の姿」を見逃してしまうことが多いのかもしれません。
それは、50周年のキティちゃんの模写でも言えます。(笑)
姪が、「キティちゃんのTシャツが欲しい、ひとみちゃんのイラストで!」と言いました。私はイラストは得意ではありません、2017年から「Robert」というキャラを仕方なく描いていましたが、(笑)あれは棒人間だから描けていたのであって、本来絵を描きません。
なので、キティちゃんを妹にさりげなく頼んでみました。
「キティちゃんを10秒見てから、描くゲームをしよう!」
一番オーソドックスなキティちゃんです。それを見たあとに、キティちゃんをすぐに描くゲーム!
私の妹は、秒でこちらのキティちゃんを描きました。キティちゃんのしもぶくれの角度だったり、服のボタンや襟の感じなど、再現されていますね。一方、私はデジタルで描いてみたところ、ひどいもんです。(笑)
あらためて、妹にデジタルで描いてもらいました。
この描写力というものは、日々の観察力や、意識すべきポイントをしっかりと理解しているからこそ生まれるのではないでしょうか。それは、何度も描く経験を重ねる中で培われるものでもあり、あるいは元々そういったセンスに恵まれているからこそ、絵を描くことが得意だという場合もあるでしょう。
では、自分の思い込みをどれだけ手放すことができるか。そして、意識すべきポイントをどれだけ知ることができるか。その二つが鍵になるのかもしれません。感性を磨き、経験を積み重ねることで、きっと心を動かされる瞬間はますます増えていくのでしょう。もちろん、得意不得意の差はあるかもしれません。しかし、2025年も引き続き、なるべく多くのことに対して先入観を取り払い、物事をありのままに捉える感性を磨き続けていきたいと思います。
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