実家の大掃除でパンドラの箱を開ける。

 昨年、弟家族の子供たちが大きくなったこともあり、彼らは近所に引っ越しました。しかし、実家に物を置けることをいいことに、片付けを終わらせていないのが現状です。そこで、おばあちゃんが夏休み中に片付けを進めるため、私も呼ばれて手伝うことになりました。なんと、おばあちゃんはアルバイト代を支払うというおまけ付きです。

 残っているのは、子供たちの勉強机に散らかった小物類の片付けと、別の部屋にあるおもちゃ箱の整理です。私は、分別や決断を手伝いながら、不要な物を捨てるよう促しました。さらに、母がカーテンを洗いたいと言っていたので、大物の掃除にも取り掛かることにしました。

 スプレーに入ったままの整髪料とか厄介ですよね。2番目の姪にスプレーの中身が別の場所に飛ばないように、ゴミ箱の中で噴射させるように促しました。「押し続けるのは、手が痛い。大変」といちいちネガティブな言葉を発するので、「どうせやることになるのだから、ストレスになるネガティブワードは言わずに、ただやること!」と諭します。

 彼らの机の上が片付いてきたので、次はカーテンへ。カーテンは遮光タイプですが、洗濯機に入れてしまえばすぐに終わる。さっさとカーテンを取り外して洗濯機に入れ、スタート。その間に窓掃除をすることにしました。

 この窓は南向きのため、紫外線カットのフィルムが貼られています。それを剥がす作業から始めましたが、1枚目を剥がした途端、「パンドラの箱を開けてしまった」かのような事態が発生。急にセメダインの強いにおいが部屋中に広がりました。甥は「くさい」と一言。「くさいと思っても、この作業をしている人が一番大変なのだから、そう思っても直接言わないこと!」と私は教えました。

 そんな甥は自分のおもちゃが捨てられそうになると泣き叫び、まるで『トイ・ストーリー』のような状況に。(笑) 一方、高校生の姪は過去への執着が薄く、物をサクサクと捨てるタイプです。15歳にもなると、考え方が大人びてきました。


 窓掃除は思った以上に大変でした。マジックリンとスポンジ、ブラシ、マイクロファイバー雑巾を使い、擦るように拭き倒しました。

 そんな大変な作業をしている私を見て、「そんなことやらなくてもいいのに!」と、姪甥から避難される始末。「なぜ良いことをしている人が避難されるのか?」と笑いながらも、「これから30年もこのままにしておけないでしょう。誰かがやらなきゃいけないことを、今やっているんだよ」と、自分の考えをシェアしました。

 ようやくフィルム剥がしが終わるころには、洗濯も終わり、カーテンをレールに取り付けることができました。

 彼らの机の上にはなにも物が無くなりました。後日、解体業者を依頼し、ついに大物のベッド、勉強机を解体し、粗大ごみに出して終了です。そのあと、この部屋はリフォームすることでしょう!

 まもなく母が帰ってきて、カーテンがすでに洗い終わっていたことに驚いていました。そして、私にもアルバイト代が支払われました。

 「ひとみちゃん、掃除業者もできるね」と2番目の姪が言いました。「よく言われるけど、私が掃除の仕事だけに時間を割いていたら、他の才能がもったいないでしょ」と言うと、1番目の姪が「そうだと思う」と同意してくれました。(笑)

 いつかやらないといけない掃除が終わるとスッキリするものです。何か新しいものが入ってくることでしょう。