綺麗すぎない美学

 明日は台風の影響がでそうなので、英会話レッスンを木曜日に移動し、Tシャツのデザインアイデア会議として予約しました。昨日のうちにいくつか考えて仕上げたデザインには満足していたのですが、英会話の先生の第一声は「綺麗すぎる」というフィードバックでした(笑)。

 さらに、「Why not?」というキャッチコピーでは誰も着たがらない、という英語圏ならではの意見もいただき(笑)、デザインを最初から練り直すことに。それにしても、綺麗に仕上げるといつも崩されてしまいます。まあ、それがアーティストの宿命なので仕方がないですね。気を取り直して、「なぜ綺麗すぎるデザインはダメなのか?」「どんなデザインが今きているのか?」というレクチャーが始まりました。

 要するに、グラフィックデザインは、イラストレーターやフォトショップが普及した時点で、素人でもデザインができるようになり、そこで一つの時代が終わったということです。そして今、Canvaのようなアプリが登場し、素人でも「プロっぽい」デザインが簡単に作れる時代になっています。そうなると、プロのデザイナーたちは、AIでは再現できない、人間ならではのデザインを創り出す必要が出てきたのです。

 そして、ここ数年注目されているのが「ニューアグリー」、つまり「美しくないデザイン」。この「美しくないデザイン」が、今のトレンドだというのです。実際にそのデザインを見ながら、まるで美術の授業を受けているような気分でした(笑)。

 前回、英会話の先生から「マティスの『赤い部屋』にかかっている絵を有名画家の絵に差し替える」というアイデアをもらっていたので、まずはそのデザインを完成させてみました。今や、こんなことも素人が簡単にできる時代ですからね。

 次に、画家の名前や作品のタイトル、制作年代をどう配置するか考えました。センターや右端に寄せるよりも、あえて揃えすぎないバランスが面白いかもしれません。これは新しい。

 40分のレクチャーを受けた結果、全く新しい作品が生まれました。これを機に、「綺麗すぎないけど、素人っぽくもない」という微妙な境界線で、さらに作品を作ってみようと思います。AIが発展する時代だからこそ、人間の感性をより追求できるのかもしれませんね。今日から美術の見方がまた少し変わりそうです。