真夏の暑さに耐えかねて、涼しい場所を求めていた私。家か美術館か映画館か、はたまたジムか。ふと思い立って映画の上映スケジュールをチェックしてみると、ハリウッドから新作を発見! スカーレット・ヨハンソン主演の最新作『Fly Me to the Moon』(2024年)が公開されているではないか。
グレッグ・バーランティ監督のもと、スカーレット・ヨハンソンとチャニング・テイタムが共演するSFコメディ。アポロ計画をモチーフにしたフィクション作品だという。正直なところ、映画館で観るよりも、長距離フライトの機内で楽しむのにぴったりな作品かもしれない。そう思いながら、ネタバレを含んだ感想を書くことにしよう。
その前に、久しぶりに映画館へ行ったので、今後気になる映画も目白押しであることに気づく。なんと、ホワキン・フェニックスが レディー・ガガと『ジョーカー2』!!! ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットが共演の『ウルフズ』!『インサイドヘッド2』はすぐだ! 実は初日1日前上映していたので、先ほど観に行ってきました!
物語は1969年のアメリカが舞台。ケネディ大統領の夢、人類初の月面着陸を目指すアポロ計画から8年が経過していた。しかし、NASAの失敗続きで国民の関心は薄れ、予算は膨らむ一方だった。
そんな窮地を脱するため、政府関係者のモー(ウディ・ハレルソン)は、ニューヨークで活躍するPRの天才ケリー(スカーレット・ヨハンソン)に「月を売る」という奇抜な依頼をする。アポロ計画を再び注目の的にし、資金を集めるという難題だ。
ケリーの戦略は大胆不敵だった。「宇宙飛行士たちをビートルズ以上に有名にする!」と豪語し、そっくりな役者たちをメディアに登場させる。この作戦に、真面目なNASAの発射責任者コール(チャニング・テイタム)は当初猛反発するが、次第にケリーのカリスマ性に引き込まれていく。
そして物語は思わぬ展開を見せる。モーからケリーに、月面着陸失敗に備えた偽の映像制作という、さらに危険な依頼が舞い込むのだ。ソ連に勝ちたいアメリカ政府の思惑が透けて見える。ケリーは自身の過去の秘密を消してもらうため、この仕事を引き受けるが、終了後に姿を消す条件を付ける。
ケリーは映画監督や俳優を使い、精密な偽のセットで月面着陸の練習を繰り返す。しかし、モーが本番でもこの偽映像を使うと言い出し、ケリーは良心の呵責に耐えられなくなる。
ついに、ケリーはコールに真実を打ち明け、「本物のカメラをロケットに積んでほしい」と懇願する。コールは難色を示すが、二人で知恵を絞り、カメラ搭載の方法を模索し始める。
しかし、発射直前になって悲劇が起きる。カメラの部品が壊れているのだ。ここからは笑いの連続で、日本であっても観客からも笑い声がでてくるほど。なので、結末の詳細は控えますが、予想外の展開の連続で、最後まで目が離せない。
そして何より、1960年代のファッションに身を包んだスカーレット・ヨハンソンの魅力が際立つ。彼女自身、制作側に廻ろうとしていたが、「自分が演じないで誰がやるの?」と思ったそうだが、まさにその通りだ。
映画を観終わった私は、すっかりスカーレット・ヨハンソンの虜になっていた。映画館を出る頃には、思わず彼女のような姿勢で歩いている自分に気づいて、くすりと笑ってしまった。
この映画は、史実とフィクションを巧みに織り交ぜ、アメリカの栄光と苦悩、そして人間の野心と良心の葛藤を描き出している。コメディでありながら、深い余韻を残す作品だ。暑さを忘れさせるほどの没入感と、心地よい笑いに包まれた2時間だった。久しぶりに心から楽しめた作品に出会えた喜びを噛みしめました!
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