英会話レッスンで「聞き上手」と言われるには?

 いつものオンライン英会話の27歳のL先生は、Wifiや体調不良等で、たまに突然レッスンがキャンセルになることがあります。そんな時は、他の先生が自動的にあてがわれ、なんと無料でレッスンを受けられることに。しかし、普段、L先生には私のブログ記事や本の英訳をシェアしているため、教科書を使ったレッスンはあまりしていません。そのため、無料レッスンの場合でもキャンセルすることが多いのです。

 ところが今日は女性の先生が代行だったので、新しいテキストを試してみることにしました。Daily Newsというレッスンなら、自分の好きなトピックを選んで会話を楽しめるかもしれません。またいつもと違う人と話すことで、自分の英会話スキルの計測できるでしょう。

 そこで、「Tokyo: Top 6 Walkable City」というトピックを選びました。このテキストの難易度は、10段階中5です。さっそく、会話を楽しむ準備ができました。


 花柄の服を着て、ピンクのチークが明るく映える先生が登場しました。最初に「何かご要望はありますか?」と尋ねてくれたので、"Not really." と答えて、早速レッスンが始まりました。

 アクセントは、米国か英国から選べるので、いつもの「英国で!」を選びました。ニュースのナレーションは、まるでスローモーションのように聞こえます。気づかないうちにリスニング力が向上していたことを実感しました。

 そして、内容に関する質問に進みました。三択の質問で、しかも日本語も書いてあるので、楽勝でした。その後、生徒側も声に出してリーディングを行い、トピックに沿ったフリートークへと進みました。

 すると先生が、「あなたの部屋、ディズニープリンセスの部屋みたいね! 好きだわ!」と言いました。いつもとは違う位置にiPadを置いていたので、ゴールドの額縁のようなミラーが見えていたのです。そのミラーにはバラの花の造花アレンジが施されていて、確かに美女と野獣の世界のように見えますね。(笑)

 先生は続けて、「それって自分でやったの? WOW あなたはアーティストですね!あなたの部屋の香りもいいのでしょうね。ファッション業界で働いていたとか?」と興味津々でした。まだ初対面で10分しか経っていませんが、先生の推測はかなり当たっていました! 画面から香りまで伝わるとは!(笑)


 それから、テーマ「ウォーキング」に沿いながら話が盛り上がりました。大まかですが、以下のようなトークが展開されました。


■散歩の時間について

「散歩に出るとしたら、何時ころ出るの?」

「3時過ぎですね。日傘をささないといけないし」

「何それ? はじめて聞いたわ!」

「日傘は、日焼け防止だし、暑さも押させられます。でも、海外旅行へ行ったときに、日傘をさしたいと思ったときに、誰も日傘をさしてないから、しまいましたよ」

(先生大爆笑、ありがとうございます)

その他、夜に散歩しても誰も危ない人はついてこないという日本の治安についても驚かれていました。


■「病院や学校が近いところに住みたいですか?」

「あー。住みたいですね。痛みがあるときは、近いところに病院があったほうがいいですよね。足の指を痛めたとき、病院まで歩かなくてはならなくて、3分のところが、10分くらいに感じましたよ」

「あははは。私の友達が、風呂場で転倒して、裸のまま動けなくなったことがあったわ。女子は、病院へ行くためにも、メイクアップしないといけないし、もし素敵なドクターに合うかもしれないしね!」

「あははは。Just in case!」


■「歩数を計測しているか?」

「iPheneが自動的に記録していますよね。私は毎日ジムへ行っているのですが、月曜日は定休日だから、1万歩達成するために散歩に出ます。もはや、ルーティンですね」

「ルーティンだから、やらなくちゃならないってわけね」

「そういえば、先月山登りしたら、3万歩も歩きましたよ。1491mの山なんですけどね」

「へぇ!山ってどんな山なの?富士山みたいな?」

「富士山は、岩がたくさんある山で、その山はときどき岩場があるくらいで。岩場では、チェーンを伝って上り下りしましたね」

(先生が日本の山を検索中。丹沢のある山の頂上の写真を見つけたらしい)

「この石のオブジェって、お墓みたいな、これ何?」

「ああ、それは…無事に登山ができるように祈る用ですね」

「お金持ちになりますようにとか?(笑)」

「いやいや、健康や無事をね(笑)」


 初対面オンラインで、25分間ですが、気分が上がるような楽しい話ができた充実感がありました。私は、「今日は楽しい時間でした。日本に来たら、夜の散歩を楽しんでね!」とメッセージを送り、先生からは、以下のようなフィードバックを頂きました。

 私も結構話していたと思いますが、先生から「あなたはとても聞き上手ですね」とコメントをもらいました。ライフコーチであることは話していませんでしたが、たくさんの生徒と英会話レッスンをされているからこそ、何が聞き上手であるかを理解しているのでしょう。とてもうれしいコメントでした。でも積極的に傾聴の姿勢を取っていたわけではありません。

 英会話のレッスンは、「生徒が英語を考えながら話すので、先生が待っている」とか、「生徒がわかるようにゆっくり話す」ような構図になりがちです。しかし、こちらのリスニング力がアップすると、先生もノーマルスピードで話すことができるため、「聞き上手」と思われたのかもしれません。ネイティブが普通のスピードで話せるかどうか、これも一つの英会話スキルの上達を計測できる指針なのだと気づきました。

 つまり、聞き上手というのは「相手が自由に話せたかどうか?」ということを意味します。これが英会話となると、こちらのリスニング力次第でその評価が決まるため、傾聴力のアクティブリスニングとはまた違うスキルなのかもしれません。いろいろと発見もある、素晴らしい時間となりました。ありがとうございました。