フジコ・ヘミング 絵画展:繊細なタッチとおとぎ話のように。

 ゴールデンウィークの午後のひとときのピアノ弾き語り練習中に、ふとYouTubeを開くとフジコ・ヘミングさんのニュースが流れていました。その瞬間、思い出しました—彼女の絵画展が今、銀座で開催されていることに。このニュースに気づき、喜び勇んで家を飛び出したのですが、iPhoneを家に忘れてしまうというハプニングも。しかし、展示会場の場所はしっかりと覚えていましたので、それほど心配はありませんでした(笑)。

 展覧会は4月29日から始まっており、フジコさんが天に召された報告は5月2日でした。そのためか、ギャラリーへの入場待ちには約1時間を要しましたが、(時計もiPhoneもないので感覚)その待ち時間さえも、フジコさんへの演奏が宇宙から届いているかのように、私の心の中で奏でられていました。

 ついに入りましたが、iPhone忘れのため、入口の写真が撮れません。(笑) 展示されている絵画は、小ぶりのサイズで、まるでシャガールの幻想的な世界を思わせるような雰囲気に、葛飾北斎の影響を受けた浮世絵風のタッチが融合していました。作品には、鉛筆で描かれたモノクロの線画に対し、鮮やかな花々の色がアクセントとして加えられており、その自由な発想と繊細な描写は、まるで乙女の手によるもののようです。そのどれもが愛らしく、感性の素晴らしさが独特で、際立っていました。

 特に印象的だったのは、お父様と踊るシーンや、弟と庭で釣りごっこの遊びをしている風景を描いた作品です。これらの絵には、日常の中の小さな冒険や空想が巧みに切り取られており、その可愛らしさには思わず心が和みます。

 フジコさんの絵画は、父親から受け継いだアーティストとしての才能のDNAの部分。プラス母親からのピアニストとしての才能が見事に融合していることが感じられ、数奇な運命もありながらも、才能を遺憾なく発揮された別次元を感じる方です。そんな素晴らしい絵画なのに入場無料。会場で発売されていた絵画集を購入しました。

 私の部屋には、かつてのピアノリサイタルのプログラムで使われた絵も飾っていますが、今回その原画を実際に目にすることができました。原画はプログラムで見たものよりも、背景が一層オレンジ色に輝いており、その暖かみある色彩がさらに深い感動を与えてくれました。

 フジコさんはまた、10匹以上の保護猫を飼っていることでも知られる熱心な愛猫家です。彼女の作品には、そんな猫たちが何度もモチーフとして登場します。そして今回、犬を描いた絵も発見しました!

 展示されていた作品の中から、私の部屋の雰囲気にぴったりな絵を選び、早速スキャンして飾りました。

 ピアノと猫とお花…フジコさんの世界への窓として、私もその世界の波長に合わせていきたいです。そして、地球に残してくださった作品にこれからも触れ続けていきたいです。


P.S. Life Coach Blog の方も併せてどうぞ。