映画『Paris Taxi』鑑賞。今年1番号泣。

 水曜日なので、何か映画はないかな‥と思い探していたら、「4★」のついている映画を見つけました。『PARIS TAXI』です。タクシー運転手が笑顔というポスターで、何か良いことがおきるのかなという雰囲気です。しかし、大きな映画館ではやっておらず、有楽町の「角川シネマ」へ。思ったよりも席が埋まっておりました。


 映画の始まりは、グレーの何かがクローズアップされ、だんだんと洗車の大きなブラシだとわかり、黒いタクシーが現れました。なんでも芸術と化してしまうParis。流石のオープニングでした。(笑)

 と思ったら、忙しそうで機嫌の悪そうな乗客と、乗客からの「川に沿って走らないでくれ」というオーダーに反して、「タクシードライバーの方が道を知っている」と反論するタクシードライバー。そんなところに、長距離のお客様の予約が入ったから、行ってくれないか?と会社から指令が入ります。お迎えの場所に行くところからメーターを入れていいとも言われ、お金にも困っていたタクシードライバーは、引き受けることに。

 その家に行ってみても、誰も出てこないと思ったら後ろから声がして、「老人ホームまで乗せてって欲しい」という老女が乗客だったのです。無口なタクシードライバーに対して、老女は「最後のお願いを聞いてほしい」と言って、老人ホームまでの道すがら、ゆかりの場所で途中下車しつつ、これまでの壮絶な人生が語られていきながら、タクシードライバーの心に変化していく・・・そんな人生のロードムービーとなっております。

 90分の映画、それも1日を切り取ったものなのに、90年分の物語を追体験してしまいました。きっと、無口なタクシードライバーも、老女の話に耳を傾けながら、カタルシスを起こし、彼の怒りの奥にひっそりと存在していた、心の扉が開かれていったのでしょう。映画の途中は恐ろしくもありながら、最後の方の展開に号泣です。今年1番の映画に、突如なってしまいました。(笑)

 ちなみに、老女を演じたかたは、フランスのシャンソン歌手だそうで、95歳だそうです。美しいですし、言葉もはっきりしていますし、姿勢もいいし、本当にびっくりです!

 タクシードライバーを演じたのは、フランスで有名なコメディアンとのこと。二人は仲のいい知り合い同士でもあるそうで、息もぴったりでした! 

 また、劇中はパリの道をずっとタクシーが進んでいくのですが、パリの道はいつも混んでおり、映画の撮影は難しいからということで、特殊な撮影方法だったようです。興味のある方は調べてみてください!

 本当に素敵な映画です。Don't miss it!