映画『オットーという男』鑑賞。

 トム・ハンクスがはじめて不愛想な男を演じるということで、是非観たい!と思っていた『オットーという男』を映画館で観てきました。

 仕事も辞め、1人で暮らしているオットーは、とても不愛想で不機嫌で、ルール違反に厳しく、半年前に最愛の奥さんを亡くし、生きる希望も失っていました。

 ある日近所に陽気なメキシカンな家族が引越してきて、いろいろなことに巻き込まれていきます。しかし不愛想ながらも人から頼まれた機械仕事や、運転の練習、子守、長い付き合いの人の助けをしたりと、だんだんと生きる意味を見出しながら、結局いい人を演じていたトム・ハンクスでした。

 なにやらリメイク版とのことで、アマゾンプライムで『幸せな独りぼっち』も視聴してみました。トム・ハンクスがリメイクしようと決めたそうです。スウェーデン版のほうと大筋は同じですが、文化の違いなどから、設定がアメリカンになっていたり、主人公の過去をスウェーデン映画のほうが詳しく描写されていたり、違いもあります。

 アメリカ版は、陽気でオーバーリアクティングな感じが、オットーの不愛想といい感じのコントラストがあり、また、みんなが知っているトム・ハンクスが不機嫌な男を演じるというので、基本的にいい人が、訳があって不機嫌になってしまったのかな?という、観る側がそういう前提で入っていきがちなところも面白いところです。トム・ハンクスらしからぬことをするので、内容とは別にコメディーっぽく映りますし。

 泣かずにはいられない映画でした。浅い付き合いになりがちな昨今に、こうして隣人を気遣える人がいる世界はとてもいいなと思いました。本気で相手に言いたいことをぶつけたり、手伝いや救いが必要な時は本気で助けたり、相手が心を自然と開けるように寄り添う人の存在も必要です。なので、主人公のオットーよりも、隣人のメキシカンな奥様に拍手を送りたい映画でした。(笑)