映画『SHAME』鑑賞。

 『危険なメソッド』のユング役であるマイケル・ファスベンダーが気になって、2011年の映画『SHAME』を観てみよう思いました。新作DVDで、TUTAYAにありました。

公式サイト




 TUTAYAへ行き、「シ」のところを探していたのですが、見つからず、恋愛コーナーへ行ったら、それでも見つからず、何気に上に目を向けたら、一番上のラックにありました。どうやら、18歳以上とのことで、上に陳列されていたのでした。

 映画の内容は、「ニューヨークでエリートサラリーマンとして働くブランドンは、セックス依存症から抜け出せずにいた。そんなブランドンのもとに、恋愛依存症でリストカット癖のある妹シシーが転がり込んでくる。互いに相容れない2人はともに生活することでますます孤独を深めていき、事態は悪い方向へと転がっていく」というもの。

 確かに、題材だけに激しいシーンが沢山あるのですが、それより、主人公のブランドンの心の中にあるシェイムって何だろう? と言うところを追っていくと、何かしら見えてきそうだと思いました。
 快楽と虚しさが背中合わせの依存症。本当のところ、一体何が満たされればいいのでしょう・・・。

 一番印象に残ったところは、セリフが少ないところ。何を考えているのか、さっぱり分からないけれど、想像しながらこちらは観ている。想像力がかなり掻き立てられる映画だということです。終わり方も、終わりがありませんでした。だから、どうなったのか、わからない。

 また、依存してしまう理由、辞めようと思っても辞めることのできない理由って何だろうか、とても気になりました。そのことについては、いっさい深掘りされないので、わからないのです。ただ、妹が、なぜ出てきたのか? そことリンクするのでしょうか? 実は、妹のことが好きだったのではないかという説を唱える人もいるみたいですが、どうなんでしょうか? 依存症すぎて、本当に人を愛することができないということが、観ていて辛そうな感じがしました。


 こんなに、余白がいっぱいの映画は、あまり見たことがありません。また、セックス依存症という、それこそSHAMEのように隠れている部分を題材に持ってくるとは、新しいこと。余白が多すぎるあまり、観ている人は、説明をして欲しいと思う人もいるかもしれませんが、私は、説明なしのこの感じが、いいなと思いました。「問い」を投げかけられている感じでしょうか。釈然としないままが続いています。


 ゴールデン・グローブ賞 主演男優賞ノミネート、ヴェネチア国際映画祭 男優賞受賞など、映画界では、かなりの注目作になっています。1週間借りているので、2回目観てみたいところです。

 最初から、最後まで、目を離すことのできない映画。ずっと何気に緊迫ムードです。マイケル・ファスベンダーのインタビューを観ていたら、「ひとつも気楽にできるところがなくて、疲れた」とのコメントもありました。

 マイケル・ファスベンダーの本当に真っ裸な演技には、驚きました。ユングを観た後だったので、さらに驚きです。この人すごい?!と。すっかりファンになりました。きっと、彼には品の良さがあるので、この役をやっても普通に観られてしまうところがありました。これから、コリン・ファースとの共演もするらしいので、ますます注目です。