映画『ブルックリン』鑑賞。

 1950年代、アイルランドからニューヨーク・ブルックリンにやってきた移民の少女の物語。アイルランドの港から、母親とNYの仕事を見つけてくれた姉に見送られ、船でアメリカへ。ホームシックにかかりながらも、周りの人の支え、仕事、学び、恋人との出会いが、彼女を洗練された女性に成長させていきます。しかし、突然の故郷へ帰らなくてはいけなくなり・・・・。
 最初から泣いて、途中も泣いて、笑って、最後は…。人生の別れ、出会い、決断、人間成長、見守る人…が100分に一挙に詰まった、久しぶりに2回観たいなと思ってしまった映画でした。

 主人公のエイリシュ役には、シアーシャ・ローナン。88回のアカデミー賞で主演女優ノミネートにもなった、期待の若手女優と評判です。

 アイルランド時代の彼女の垢ぬけないところから、洗練されたNYの女性になっていく変化ぶりを本当に繊細に演じていて、心揺さぶられまくりました。この映画の見どころとしては、1950年代のファッションというところにもあって、ずっと目が離せないのです。それにまつわる小物やインテリアまで。彼女を映し出す構図までもが、計算しつくされていて、本当に入り込んでしまいました。

 特に、自分の20代のころとも重ね合わせて見てしまいます。人生において、20代のころは人間関係の別れ、出会いというのがショートタームで繰り広げられて、人との出会いが、どんどん自分が変わる影響を与えていくものだったように感じます。それに、決断の連続でした。どんどん決断して、次へ進むしかないので、自分自身もものすごく変化したと思います。20代の速度というか、いろいろありすぎたなと、思わず振り替えざるをえませんでした。だから観終わったあと、一瞬主人公の決断に関してこれでよかったのかなと思いながらも、これはきっと賛否両論なのでしょうが、きっと私が主人公の立場だったら、しかも、20代としての自分だったとしたら、主人公と同じ選択をするだろうな、と思いました。でも、結局どちらを選択しても、この主人公、きっと幸せです。そうも思わせてくれました。

 私がそもそも見ようと思った理由は、「ドナール・グリーソン」が出ているということ。 『about time』でも『FRANK』でも、憎めないキャラを演じていて、実際にアイルランド出身の俳優で、なんか芝生が似合うイメージが勝手にしているのですが、今回もアンティークの竹の椅子に座って「TEA TIME」な感じで、勝手に親近感が湧きます。しかし、彼が出てきたのは、始まりから50分目くらいだったので、「ここだったか!」とその遅さに驚きました。もっと見たかったのに。
 代わりにといってはなんですが、主人公のブルックリンの彼役の俳優が、とってもイケメン俳優で、1990年生まれのエモリー・コーエンと言いますが、なんと、3月13日生で誕生日が一緒。周りの俳優ほど有名ではないので、初々しさもあり、ちょっとこっちが照れてしまいながら見ていました。きっと役を忠実に演じていたから、照れまでこちらにも伝わってきたのでしょう。声がなんとも力が抜けて、リラックスしているところがいいです。
 
 言いたいことが山ほど出てきちゃう映画ですね。(笑)