映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(原題:THE BIG SHORT)鑑賞。

 Ryan Goslingが出演しているのと、アカデミー賞、脚色賞という情報だけで映画館へ。

 結果、経済用語があまりにわかっていないことに気付かされましたが、演技派俳優陣ばかりでしたから、わからなくても、物語には入り続けていました。わからないところは吹っ飛ばして、感覚で掴んでいけばいいんです。あとから、金融用語も調べたくなりましたし、制作者の意図にまんまとハマったうちの一人かと思います。
 少し理解が深まった後、じわじわきます。「この映画、深いし、面白い! さすが脚色賞」となりました! 華麗なる大逆転です。(笑)

 ものすごくよくできているところは、金融用語が分からなくても、途中で、全く劇中と関係ない、バスタブのおねえちゃんとか、売れ残りのシーフードを喩に説明してくれるシェフがいたり、カジノ客がいたり、主演の人たちも、カメラ目線になって、説明を加えたり、わからないところをフォローしてくれながら、見進めることができるのです。



公式HP

 一言で言うと、「サブプライムローン」が破たんすることを予想した個人投資家が、破たんした場合の金融商品を銀行に作らせて、破たんしたあと、大金を手にしたという話です。 

 つまり、そんな投資家がお金を手にするとき=喜ばしい成功とも言えないのです。経済用語がわかっていなくとも、微妙な罪悪感のような雰囲気がとても伝わってくる映画でした。

 映画の後に、金融用語を調べていても思いましたが、用語がわからないと、途中で読むのが嫌になってきますね。そうすると、よく規約も読まないで、先を見通さないで、「じゃ、それで」みたいなことにもなりかねない。

 「お金は紙」といえども、人々の命にかかわる事態まで引き起こしてしまう。とくにお金に関しては、人は損得勘定で、決断をしてしまったりすることもあるでしょう。深く考えたり、先を見通したりする力を持つこと、自分の決断に責任を持つことなど、いろいろと考えさせられました。

 映画を観るまえにオススメなのが、映画評論家 町山智浩さんの解説です。



 きっと、理解が深まると思います。