『自閉症の僕が跳びはねる理由』東田 直樹 (著)

 知人が「東田 直樹さん」の本を読んでいるとのことで、私も読んでみることにしました。人からの紹介というのは、自分では選ぶことのないジャンルであることも多いので、自分の発想の枠を超えるために、耳に入ったら映画でも本でも、私も体験してみたいと思います。

 『自閉症の僕が跳びはねる理由』東田 直樹 (著)。自閉症者の心の声を、著者が13歳の時に記した本。世界的ベストセラーとなった話題作のようです。






 衝撃的でした。自分がそうしたいと思うのとは別に、そうなってしまうということに。「僕たちはこうなのです」という説明書のようでもありました。健常者は、こんなに自分の説明書きを書けるでしょうか。著者が13歳のときに書いたもののようですが、こと細かく自己を分析され、言語化し、私たちに力強く訴えてくる、でも優しい日本語に素直にならざるを得ない文章でした。

 途中、詩のようなストーリーが少し綴られているのですが、「カラスとハト」で、涙が溢れてきそうになりました。電車の中だったので。家だったらきっと号泣でした。

 多くの本は「疑問に答えるもの」が多いなかで、「知らない世界を見せてくれる本」というのは、非常に価値の高いものだと思いました。また、自分の感じていることをもっと自然に表現してもいいんだと、思わさせてくれました。自閉症と呼ばれるひとに。

 読んだ後、何かが変わる。きっとそれぞれのひとが、自然に自分に矢印が向けられるのではないかと思います。
 

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NHK オンデマンドでドキュメンタリーも観られます。(2017.8.31まで)

号泣でした…。