『ミュシャ展』@国立新美術館へ

 ルーブル美術館並みの混雑でびっくりしました。チケットは六本木駅の大黒屋で買ってから行くと並ばずに済むでしょう。草間弥生さんの展覧会もあって、そちらも大混雑の国立新美術館です。

 ミュシャのスラヴ叙事詩は、6メートル×8メートルというサイズのカンヴァスに描かれた20点の絵画から構成される作品で、国立新美術館が、それだけ高さがあった?!というのもまず驚きましたが、入口に入り、実物とご対面すると、海外の美術館にいる気分に一瞬にしてなりました。圧巻!!!

 あるフロアーは写真撮影もOKでしたので、こんな感じです。これは一回り小さいバージョンですが。






 早速、壮大なカンヴァスに描かれた絵には、すべてに音声ガイドがついているのでありがたいです。何もよくわからずに行ったものですから、こういう宗教画というのは、もっと古い時代のものと思いながらも、線のタッチが柔らかでなんでだろう? と観ていると、20世紀に入ったばかりの作品。
 ミュシャがスラヴ諸国の国民をひとつにするために、1911年、プラハ近郊のズビロフ城にアトリエを借り、晩年の約16年間を捧げて創作したもののようです。だから、願いがとても込められている絵なのか! わかっていきました。



 途中から、アール・ヌーヴォー芸術の巨匠としてのアルフォンス・ミュシャの作品へと続いていきました。こちらなら、どこかで見たことが! 34歳の時に、女優サラ・ベルナール主演の舞台「ジスモンダ」のポスターを手がけることになり、一夜にして成功をおさめたそうです。人生って、そういうご縁のようなものがあるんだなと、巨匠ごとながら、嬉しくなりました。

 ところで、「スラヴ」ということば、クロアチア、スロベニア、ボスニアヘルツェゴビナへ旅行へ行ったとき、ガイドさんの話によく出てきました。そうしたら、途中に1900年パリ万国博覧会「ボスニア・ヘルツェゴヴィナ館」壁画の下絵というのがあり、ちょっとだけミュシャの地理感覚がわかってきて、興味が湧いてきました。

 今よりもずっと、絵画と時代の流れがシンクロしていたんだなと。時代の流れの中で、いなくてはならない存在だったミュシャ。私も時代の中にいなくてはならない存在になりたいなぁと、人生についても考えさせられる美術展でもありました。



ミュシャ展