Japan National Orchestra+反田恭平さんの「ショパン ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 」鑑賞。

 10月のショパン国際コンクールで、反田恭平さんの夢が叶い続けた40分の演奏に感動しまして、「ぴあ」で反田さんの公演をチェックするようになりました。そして、先行発売初日発売瞬間にアクセス集中しましたが、3分後チケットを取ることができました。すでに3階席でしたが!

 そして先月、「ぴあ」から緊急のお知らせが来まして、パンデミックの影響で、スペインからオーケストラが来られなくなった関係で、曲が変更とのこと。なんと、その変更された曲が、ショパン国際コンクールのファイナルで演奏された「ショパン ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調」!あの感動をライブで見られることになったのです。

 そんな反田さん目当てでいったので、最初に女性のギタリストの方がステージに入られて、「?」となりましたが、そういう演目だったようですね。まずは、ギターソロとオーケストラ。2幕目は、オーケストラ。3幕目は反田恭平さんとオーケストラという構成。実に、3時間近くに及ぶ、ものすごい濃いプログラムでした。



◎ギタリスト 村治佳織さん 

 オーケストラとの演奏なので、オーケストラは音を抑え気味のBGMみたいな感じで、ギターが主役です。村治佳織さん、とても有名な方なのですね。はじめて演奏を聴きました。 そんな観たことも、聴いたこともない感じを、円形劇場の高台の席からのぞき込むような位置で、ギターの包み込まれる音の世界に没頭しました。なんかものすごく癒されました。本当に心地よかったです。以下の曲ではありませんが、「ニューシネマパラダイス」を演奏されているものがありましたので、リンクしておきます。

◎Japan National Orchestra:メンデルスゾーン交響曲第4番イ短調

 2部は、オーケストラの演奏です。スマホ望遠レンズ20倍を持っていってよかったです。演奏者の顔までばっちり見える望遠レンズ。気になる楽器をよく観察できました。

 ヴァイオリンは上からみると、音と共に身体が動く様子が、波のように見えます。1階の席からでは、身体が音に乗っているくらいにしか見えてなかったので、驚きました。ものすごい渦を巻いているようにもみえるのです。

 1階席では金管楽器の方々がまったくといっていいほど見えないものですが、上からはどの楽器も平等に見えるので、トランペットの出番がなさすぎることに気づきました。(笑)ティンパニは、バチが5種類以上あって、出したい大きさに合わせて、バチを変えていることをはじめて知りました。また、太鼓の音の響きを止めるのは、人の手だったのです?!ティンパニと同じくらいの体系の方が、演者だったので納得でした。たった1台の太鼓ですが、オーケストラにはなくてはならない存在感を感じました。近くで見ると、どうしても視線がバイオリンに寄りがちでしたが、今回は陰で支えるパートの様子が見られて楽しめました!


◎反田恭平さん「ショパン ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 」

 休憩を挟みまして、ようやく反田さんです!YouTubeで何度も見ていたとおりの落ち着いた様子で反田さんがステージへ入ってこられました。20倍のレンズでネクタイの色まで見えました。オーケストラの人たちと同じ、シルバーのネクタイをされていましたね。そしていつものブラックのハンカチをお持ちになっていました。

 ショパン国際コンクールでは、独特な緊張感と夢が叶っているモーメントということで、反田さんがニヤっと笑みをこぼされていたと思うのですが、今回は終始真剣なまなざしで、侍でした。(笑)もはや余裕すら感じました。いろいろなピアニストの演奏を聴きますが、反田さんの演奏は、ピアノを弾いている最中の手の動き以外の手の動きまでが、パフォーマンスというかんじで、音に感情が乗るだけでなく、身体でも表現されている感じがとてもするのです。舞台映えというか、なのでピアノ鑑賞は、ともすれば目を瞑って鑑賞するだけもいいと思うのですが、反田さんの場合、目をずっと開けてみていたいというか、どんな表情、身体の動き、手の動きをするんだろう?そして、オーケストラと、どう対話しているんだろう? みたいなところまで、見逃せない感じがしました。20倍望遠レンズで、長時間片目で鑑賞してしまいました。(笑)

 ショパン国際コンクールでは、反田さんがピアノを弾き終わった瞬間、反田さんのフィニッシュのアクションが派手すぎて、フライングで拍手が巻き起こりましたが、今回は、ちゃんとオーケストラが終わるまで観客は待っていて、拍手となりました。(笑) とはいえ、ショパン国際コンクールで見せた、最後のフィニッシュも健在でしたので大満足です!あれが観たくて来たのですから。

 最後に、反田さんのアンコール+村治さん・反田さん・指揮者(バイオリン)のアンコールも用意されており、反田さんのMCぶりも拝見できました!配信でご覧になっている方もいらしたようなので、まるで番組のようになっていました。ピアニストだけでなく、全体をまとめることもされる方なので、そのあたりも反田さんですね。(笑)

 気づけば、19:00~21:40までコンサートが行われ、なんだか、異国の旅をしてきたかのような、とても壮大な感じと言いますか、なんかものすごい満足感に浸りました。

 そして、反田さんの演奏を生で聴いてみたい!と思ってから、5か月で叶ってしまって、ロケットマンのタロン・エジャトンの歌声を生で聴いてみたい!と思ってから、2か月でハリウッドへ行ったときのような叶い方がまたできて、感動の力って、情報を引き寄せますね。

 次のピアノリサイタルは、4月フジコさん・5月辻井さん・6月フジコさんとチケットを買っています。これからは反田さんもレギュラー化することでしょう。(笑)