映画『魂のゆくえ』鑑賞

 母から「イーサンホークの映画、行かない?」と誘われまして、劇場へ。その前にランチを一緒に食べることにしていたのですが、母がのどの痛みがありました。その映画館の1Fにカルディがあったので、すぐさま「マヌカハニー」を買うことができました。そしてスプーン1杯、マヌカハニーをなめるとあーら不思議。「なんだか、痛みが消えたわ」と驚いていました。(笑) 最近、私もこれで喉の痛みが半日で消えたので、本当にすごいハニーです。これで、母も集中して映画を観られるかなと思っていたら、のっけから、少し睡眠されていました。(笑)

 現代の設定なのに、ろうそくのような暗闇の、ミニマリストのような部屋に住むイーサンホークが、「毎日振り返りの日記を書くことに決めた。すべての考えをここに書こうと思う。そして1年後破棄をする」と言うシーンから入り、「牧師」と「毎日の振り返り」ということで、私が提唱する1D1Uと被りました。しかも、私の前世に「牧師」時代があったようですから。(笑) 

 イーサン・ホークの演技、本当に素晴らしかったです。監督脚本の巨匠ポール・シュレイダーは、脚本を書きながら途中で、「イーサン・ホーク」のことが頭に浮かんだといいます。


あらすじ: 今の時代、教会に足を運ぶ人はめっきり少なくなって、少ないなか、日曜ミサをしているトラー(イーサーンホーク)のもとに、メアリー(アマンド・セイフライド)がやってきて、「彼が心病んでいて…妊娠を喜んでくれていないの、話を聞いてほしいわ」と言い、トラー牧師は、その彼の話を聞きに訪れます。その彼は、地球温暖化を懸念しており、そんな未来に子供が生きるのはかわいそうだという理由から、妊娠を喜んでいないということがわかってきました。トラーは、説得を試みるはずだったのに、教会が汚染企業から献金を受けている事実を知って、話を聞いていくうちに、トラー牧師も葛藤し始めてしまいます。


 映画が終わってから、母とディスカッションをしました。睡眠していた割に、抑えていたようです。(笑)しかし、セリフが多くて、字幕を追うことができない部分も結構ありました。もう一度観たい作品です。

 トラーは、毎日の振り返りに日記を書いていたわけですが、振り返りながら、「こう言えばよかった」とか「これは本心じゃなかった」とか、「この部分は破って捨てよう」とか、いろいろと自問自答しているのです。そして気づいた本心は、結構ダークなもので、体も病んできていましたから、お酒+柔軟剤?!を入れて、じわじわと自殺行為を働いてもいました。周りには、彼を心配する元妻。一方、メアリー(アマンド・セイフライド)は、トラーにとっては守るべき存在として登場していたように思います。

 トラー牧師の住む家は、教会に繋がっていて、超ミニマリスト。豪華なシャンデリアが1つだけで、その下に椅子1脚。ほかに何もない。その部屋で、夜に牧師はインターネットでいろいろ調べ事。それだけでも怖い。彼の顔を照らすのは、PCの光だけ。ダークでしょ。

 メアリーとトラーが、床の上で重なり合い、眼と呼吸を一体化する神秘的なシーンが印象的です。そこだけ、いきなりSFになって、びっくりしましたが、宇宙と繋がりました。最後、彼は救われたのでしょうか? 幻だったのか? 現実だったのか…。

 深すぎる映画ですが、なんとなく感覚的にはわかったつもりです。というのも、映画を観終わったあと、脳がものすごいスッキリした感覚を味わいました。何かカタルシスがあったのでしょうか。イーサン・ホークの演技で、感覚のほうが伝わってきていたのかもしれません。字幕が追えなかった分の理解度が惜しいので、もう一度観たい作品です。すごい映画でした。なにしろ、巨匠が50年間も構想していたものだそうですから!