クリント・イーストウッド監督・主演最新作『運び屋』鑑賞。

 誕生日に最高の映画を観ました! クリント・イーストウッドと弟子であるブラッドリー・クーパーが出演している最新作『運び屋』です! イーストウッド監督、88歳で、『グラントリノ』以来の監督主演! 自分の歳の主人公ものがないから、主演できないでいたそうなのですが。そんなとき、「シナロア・カルテルの90歳の運び屋」がいたという話が、NYタイムスにあり、『グラン・トリノ』のニック・シェンクが脚本を手がけたという、実話に基づいたストーリーなのです。

 クリント・イーストウッド演じる主人公・アールは、園芸家で「デイリリー」を育てている巨匠でしたが、経営があまりうまくいかなくなり、ある日「ただ車を運転するだけでお金が入る」と言う話を耳にし、そこから「ただ運ぶ」仕事が始まりました。しかし、報酬がすごすぎて、「麻薬を運ぶ仕事」だと気づいても、続けてしまうんですね。それは、アールは、家庭よりも仕事の男だからです。

 そして、それはクリント・イーストウッド本人のことでもあったようです。なんと、「お父さんはいつも来てくれない!」と結婚式にも来てくれない父親のことを嘆くシーンがあったのですが、そう嘆くのは実の娘さんなんです。

 しかし、90歳の運び屋は、家庭よりも社会の人たちが喜んでくれて、自分が認められる方が好きなタイプで、運び屋で得たお金を、地域のため、人のためにも使う善人なところもあるのです。運び屋と言ってもシリアスでなく、歌を歌いながらアメリカとメキシコの国境を超える日々。なにがいいんだか、わるいんだか、だんだんと分からなくなってきてしまいました。(笑)

 運び屋の仕事を忠実に実行するもんだから、大ボスがアールのためにパーティーを開き、キレイなお姉さんに囲まれてニヤニヤするクリント・イーストウッド監督。(笑) まあ、物語の中盤まではこんな感じで、でも後半へと向かいながら、だんだんとハラハラとしてきました・・・。

 ものすごい映画です。クリント・イーストウッドがブラッドリー・クーパーにも出演させたことも、なんだか、弟子へバトンを渡すような感じもしましたし、イーストウッドの人生を投影したような映画でもありましたし、とにかく深い映画なんです。深すぎて、また見たい! 語り合いたいところがたくさんあり、母に話しはじめたところ、「いい映画よね~」と。やっぱりもう観終わっていました。(笑) この映画で伝わってくるメッセージは、「好きなことをやりなさい」「家族を大切に」「今を生きる」「周りの人を助ける」ということでした。

 それにしても、88歳で主演監督だなんて、信じられない生命力です。私は、クリント・イーストウッドと同じ瞑想をしてるのです。こんなエネルギーの高い88歳になれるといいなと思います。そのためには、私もこうして毎日創作活動と瞑想、運動を続けていくことだなと思います。