コーヒーを、
豆に戻そうと思った。
あのドリップバッグを、
最近は使っていた。
一杯ずつ、個包装になっていて、
味の違いも楽しんでいた。
お湯を注げばすぐに飲める。
洗い物も少ない。楽だった。
生活に、ちょうどよかった。
でもある日、久しぶりに豆から淹れたコーヒーを飲んだ。
部屋に戻ったとき、香りが、違った。
ああ、やっぱり豆だな、と思った。
それで決めた。
ちゃんと豆から淹れる生活に、戻ろうと。
ブレンダーは持っていた。
スムージーを作るやつ。
コーヒー豆も、それで挽いていた。
一台で済む。便利だった。
便利さに、甘えていた。
でも、そんな矢先、ミキサーが止まった。
インスタで見たレシピを試そうとしていた。
リンゴとココアパウダーと卵のヘルシースイーツ。
水を少しだけ入れて、リンゴを放り込んで、
何度か回したら壊れた。
なんだか、不思議だった。
豆に戻ると決めた瞬間に、
「豆を挽く代用品」が、役目を終えた。
順番が、逆なのだ。
壊れたから買い替えた、じゃない。
戻ると決めたら、壊れた。
生活の向きが変わるとき、
こういうことが起きる。
ChatGPTに相談してみた。
そしたら、
スムージー用とコーヒー用は分けたほうがいい、
と言われた。
調べていくと、
電動よりも手動のコーヒーミルのほうが、
粒が揃いやすいことを知った。
熱を持ちにくい。
香りが、立ちやすい。
速さよりも、質。
「便利」から、「最適解」へ。
これからは、
スムージーやスープはミキサー、
コーヒーは手で挽く。
生活が少し、静かな方向へ戻っていく。
きっかけはリンゴだったけれど、
始まりは、豆だった。
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