最近、私の台所はすっかりスチーム王国である。
理由は至ってシンプル。簡単だから。
和風なら京だしと酒。中華なら鶏がらスープの素。洋風ならオリーブオイルと酒とハーブソルト、あるいはコンソメ。たったこれだけの調味料と、シリコンスチーマーさえあれば、5分後には立派な一品が完成する。鶏肉でも豚肉でも魚でも、なんでもござれ。同じ食材でも味付けを変えるだけで、まるで和食レストランから中華街、そしてイタリアンカフェへと、世界を旅しているかのような気分になるのだから、おもしろい。
アボカドが8個になった日
そんなある日、スーパーで5個入りのアボカドを購入した。ところが家に帰って開けてみると、1つが腐っている。しかも隣の2つ目にまで飛び火している始末。がっかりしながらスーパーへ向かい、事情を説明すると、快く新しいものに交換してくれた。
結果、アボカドが8個に。
思わず笑ってしまった。これは料理の神様からの「たくさん作りなさい」というメッセージだろうか。
まずはアボカドディップを作って2個消費。それでもまだ6個残っている。さて、どうしたものか。ChatGPTに相談してみると、答えは明快だった。
「白身魚とアボカド、相性抜群ですよ!」
2日連続、白身魚とアボカドのスチーム料理
というわけで、2食連続で「白身魚・アボカド・エリンギ・キャベツ」のシリコンスチーマークッキングを作ることにした。スーパーだと、お魚1匹で買えることはほぼなく、たいてい「2匹」になる。初日は和風、翌日は洋風の味付けにした。
どちらもあっさりとした味わいで、食べながら「これは体が喜んでいる」と実感できる料理だった。「食事が薬になる」とはよく言ったもので、翌朝、鏡を見ると肌の調子が驚くほどいい。内側から潤っているような、透明感のある肌。これがスチーム料理の魔法か。
そして今日のランチは、洋風バージョン。仕上げにバルサミコソースとバターを加えたら、味に深みとアクセントが生まれて、思わず「美味しい」と声が出た。アボカドのクリーミーさと白身魚のふっくらとした食感、エリンギの歯ごたえ、キャベツの甘み。すべてが調和して、口の中で優しいハーモニーを奏でる。
シンプルこそ、最高の贅沢
考えてみれば、スチーム料理ほど素材の味を楽しめる調理法はない。余分な油も使わず、素材の水分だけでふっくらと仕上がる。忙しい日々の中で、5分で健康的な料理が完成するなんて、これ以上の贅沢があるだろうか。
アボカド8個の幸せな誤算から始まった、私の小さな食の旅。明日はどこの国へ旅しようか。シリコンスチーマーを手に、今日も私の台所は世界へとつながっている。
0コメント