🌲自然のたた、攟たれた倉岳山山に登るず、どうでもいい話を思い出すのはなぜかVlog

 ã€€æ˜šæ—¥ã€ä¹…しぶりに登山ぞ。新しく賌入した20LのKarrimorのリュックが、ようやく䜿えるこずになった。堎所は山梚県の倉岳山。玄10キロの登山になるらしいが、初心者OKずされおいた。

 䞭倮線で高尟に向かっおいる途䞭、座っおいた私の目線の先に、劙なズボンが芋えた。お尻のずころに「×」が2぀。倉わったデザむンかず思いきや、よく芋るずしわひず぀ない新品。どうやらその圌、ポケットの“し぀け糞”を取らずに、そのたた履いおいたようだ。

 私が指摘したずころでハサミを持っおいるわけでもないし、これは「知らぬが仏」ず思い、䜕も告げずに芋送った。圌がそのし぀け糞に気づくのは、い぀になるのだろう。小さく身を案じた。


 高尟駅で甲府行きに乗り換える前、バディから連絡が入った。寝過ごしお、降りそびれたらしい。私は予定通り駅の高尟のホヌムに到着しおいた甲府行きに乗り換えた。

 するず、倖囜人旅行者がこちらにやっお来お、日本語翻蚳アプリの画面を芋せおきた。「kono 」ずだけ、かろうじお読めたが、文字が小さすぎお先を読む気にはなれない。圌が「To 倧月」ず英語で尋ねおきたので、「To 甲府」ずだけ返した。

 ロヌマ字の日本語を日本人に芋せられおも、即座に理解できるずは限らない。だったら最初から英語で話しおくれた方がよほどスムヌズだった。それに、電車の発車時刻たではただ3分あった。駅員を探す䜙裕もあったはずだ。

 結局、圌らは駅員を芋぀けおいた。ロヌマ字の画面を芋せながら、やりずりしおいる。駅員の衚情も、わかったような、わかっおいないような──その様子を眺めおいるず、電光掲瀺板に「次は倧月行き」ず衚瀺されおいるのが芋えた。


沢ず緑ず、アスレチックの山道

 バディヌが30分遅れお到着。圌女もたた新しいリュックを背負っおいた。ノヌスフェむスのさわやかなラむトグリヌンベヌゞュのリュックだ。ベテランのチョむスにこだわりを感じた。

 バディヌがなぜか道を間違え、駅から43分アスファルトの道を歩いお、ようやく登山口に入る。道なりず蚀っおいるわりに、倉なずころで右に曲がったからおかしいなずは思っおいた。予感は的䞭した。

 登山カりンタヌが蚭眮されおおり、ポチっず抌す。7000番台であったが、これはい぀からカりントしおいるのだろうか 動画を撮圱しようず、2名なのに、䜙蚈に1カりント倚くしおしたった。(笑)

 山に入るずグリヌンの空気が、すうっず身䜓に入っおくる。高尟山より、本栌的な沢ず滝が芋える。しばらくはその音を聎きながら、緑に染たった山道を進む。ずおも快適な序盀。ずきどき、沢の䞊を歩くようなアドベンチャヌルヌトもあり、倒朚の䞋をくぐる堎面も倚い。もはや、これは山ずいうよりアスレチックだ。


峠に向かう時間ず、励たしの空

 たず、立野峠を目指しおいた。そこは、芋晎らしがいいらしい。けれど「峠に向かっおるわりに、ずっず緩やかじゃない」ず話しおいた。時間経過しおもただ぀かない。

 バディが工皋をアプリで確認するず、「沢の音が途絶える地点を過ぎたあたりから峠が珟れる」ずいう。たさにその通りで、緩やかな道が終わるず、しっかりした䞊りが続く。

 呌吞を敎えながら、青空を頌りに䞊る時間。朚々の先に芋えるわずかな空の青が、確かに私たちを励たしおくれおいた。

 ようやく立野峠にたどり着くず、ほっず䞀息。山頂たでは、あず35分の道のり。芖界には満倩星どうだん぀぀じが咲いおいた。昚幎も、この季節に登った別の山で芋たサヌモンピンクの぀぀じを思い出す。あのずきも、同じように癒されたのだった。


奇跡のタむミングず、富士山の登堎

 そしお、ほどなくしおバディが朚々の間から芋぀けた。癜い䞉角の、矎しい山。富士山だった。雪が積もった郚分だけが切り取られるように、緑の䞭にぜっかりず浮かんでいた。

 もしかしたら、バディが30分遅れお到着したおかげで、雲が晎れおくれたのかもしれない。倩気は曇りの予報だった。

だから私は冗談めかしお蚀ったのだ。

「30分遅れたこずで、時間調敎になっお、ちょうど富士山芋えるかもしれないよ」

その“予蚀”は的䞭した。

バディが埌から調べおくれたずころ、「富士山が芋えなくお残念だった」ずいう投皿も芋぀かったらしい。やっぱり、私たちはラッキヌだったのだ。


🌳緑ずピンクの境界線、森の䞭の既芖感

 峠から続く参道を歩いおいるず、バディがぜ぀りず蚀った。

「巊偎はグリヌン、右偎はピンク。
なんかこの道を境に、色が分かれお芋えるのっお、面癜いよね。」

たしかに、私たちの歩いおいるその现道の巊右で、色がたったく違っおいた。


そしお、針葉暹の森の䞭ぞ入っおいくず、䞖界はすっかりピンクに染たっおいた。

たるで映画のワンシヌンのようだな、ず思ったのも束の間──

杉から発された、幻想的なミストのような空気がふわりず挂う。

「あれっお、CMで芋るや぀じゃない」ずバディが蚀った。

そう、きっず花粉だ。ミストではない。(笑)でもあの瞬間、私たちが感じおいたのは“䞍快感”ではなく、どこかで芋たような“蚘憶の颚景”だった。

 自然の䞭にいるはずなのに、話題はなぜか、芞胜人のスキャンダルや遭難のニュヌスばかり。

「この山の激しさっお、あの芞胜人の波乱䞇䞈を远䜓隓しおるみたいだよね」
「あの遭難の話、続報がないんだよね」
「突然の灜難が降りかかるニュヌスっお、本圓に倚いよね」

そんな話をしながら登っおいるずき、ふず口から挏れた。

「なんで、こんなに新緑がきれいなのに、どうでもいいニュヌスばっかり思い出すんだろうね。きれいすぎお、逆に倉なのが浮かんでくるのかな」

バディが応えた。

「そういうニュヌスの存圚を思い出しながら、安党に登山しようっお、自分に蚀い聞かせおるんだず思う」

 私たちは笑い合った。でもやめようずしおも、たた別のゎシップが浮かんできおしたう。䞍思議なものだ笑。

 この問いを、ちょっず副脳GPTに聞いおみたずころ、ものすごく玍埗のいく答えが返っおきた。


🧠登山䞭、脳はデフラグしおいる

 登山䞭、芖芚や聎芚は自然に浞かり、身䜓は“歩く”ずいう単玔䜜業に集䞭しおいる。するず脳は、「今すぐ凊理しなくおいい情報」の敎理を始める。

 ぀たり、登山ずは──脳が静かになったずきに、未凊理の雑情報のログを再生しおいる時間なのだ。

 芞胜人のニュヌス、事故の報道、SNSで拟った埮劙な䞍安。それらはすべお、脳内の「あずで考えるフォルダ」に入っおいたもの。登山䞭は、それらをぜろぜろず手攟しおいく時間でもあるらしい。


🌿敎っおいない道が、思考を敎えおいた

 この山は、倒朚や厩れた道が倚かった。「この道で合っおいるのかな」ず、䜕床も自分の感芚を頌りに歩いた。アプリでチェックするず、より確実だった。思えば、それも脳の䜿い方ずしおは、ずおも豊かだったのかもしれない。

 景色に癒され、花粉のミストに既芖感を感じ、道に迷いながら、頭の䞭の“どうでもいいファむル”を削陀しおいくような感芚。登山ずは、自然の䞭で、脳の「情報メンテナンス」をこっそり行っおいる行為なのかもしれない。

 次に登山に行ったずき、たたどうでもいい話が浮かんできたら、それはきっず、頭の䞭が少し片付いおきた蚌拠。山に登るず静かになるのは、身䜓だけでなく、“蚘憶の隒がしさ”も静たっおいくからなのかもしれない。

 朝、目が芚めたずき、少しだけだるさが残っおいた。筋肉痛がそれほどなかったのは、やっぱり初心者向けの山だったからかもしれない。ただ、道なき道を歩くこずが倚かったせいか、巊ひざ裏だけ痛みがでおいる。

 でも、コヌヒヌを飲んだ瞬間、すうっず身䜓が起動しおいく感芚があった。思い返せば昚日、山の䞭で浮かんでは消えおいった“どうでもいい話”たち。あれはきっず、私の䞭にたたっおいたノむズのようなものだったのだろう。

そしお今朝、カフェむンが静かに蚀った気がした。

「ゎミ、取れたよ」


🏔゚ピロヌグ倉岳山ずいう山

 ちなみに、倉岳山は初心者でも登れる山ずしお玹介されるこずが倚い。でも、今回登っおみお感じたのは──“䜓力”よりも、“技術”が問われる山になっおいた、ずいうこず。

 倒朚や厩れた道、沢の暪断、螏み跡の芋えにくい分岐。自然が激しく動いた痕跡の䞭では、「決たった道がそこにある」前提が通甚しない堎面が䜕床もあった。

バディが蚀っおいた。

「10幎前に来たずきず、景色が党然違う」

 同じ山でも、同じルヌトでも、自然が倉われば、必芁な刀断力も倉わっおいく。だからこそ、地図や情報だけでは枬れない、“いたの山”ず向き合う力が詊される。それはたるで、過去の経隓では読めない、いたの自分の状態を確かめるような時間だった。

 そしお、YAMAPの有料䌚員を怜蚎するバディであった。(笑)

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