自分の本当の声が今ごろ出たようだ。

 弾き語りのレッスンで、『First Love』の曲に取り組んで半年が経ちますが、まだ完成には至っていません。これまでマイ楽譜を作成し、ピアノと歌の練習を重ねながら、何度も楽譜の修正や歌い方の変更を行ってきました。歌だけであれば3ヶ月程度で済むのですが、弾き語りだと時間がかかるものです。

 前回のレッスンで、宝地先生に「初めて、ひとみさんの声が聞こえたような気がする」と言われました。歌い始めて14年になりますが、今になってそのように言われるとは、少し驚きですね(笑)。

 胸式呼吸で軽く歌ってるのとは違います。お腹から声を出すには、思いっきり息を吸っておかないと、音が続かない。1曲歌い終わるころには、いつもクラクラします。

 最近、宇多田ヒカルさんがTVで『First Love』を歌われたようで、YouTubeにアップされていました。原キーよりも1度下がっていたと思いますが、大人のしっとりとした歌声で感動しました。

 私は原キーのままで歌っていますが、やはり最後の転調のところは、音が高い上、座って歌うと声を出しにくい。上ずってしまわないように、1か所だけ音を下げるというアレンジを宝地先生が思いつきました。たしかに、そこが1つ下がるだけで、この小さな変更が、曲のクライマックスに落ち着きをもたらしてくれています。


 レッスンの後、フジコ・ヘミングさんが旅立たれたニュースを共有しました。宝地先生もクラシックピアノを弾かれるため、フジコさんの人間味あふれる演奏には大きな勇気をもらっていたそうです。

そして驚くべきことに、その場で宝地先生が『ラ・カンパネラ』を生で演奏してくださいました!これほど近くで『ラ・カンパネラ』を聴いたのは初めてで、コンサートホールの最前列よりもさらに前です。(笑)さらに、私がフジコさんの演奏で最も好きな『エオリアンハーブ』と『革命』も、宝地先生のレパートリーに含まれているようで、これらの曲も生で聞くことができました。本当に素晴らしい体験でした。

 一つのことを極めている人は本当に尊敬に値します。私も本当の自分の声が出せるように、努力を継続していきたいと思います。