いけばなお稽古(2)所作・言葉遣いを教えていただく。

 ひきつづき、「真・副・控」のレッスンですが、巨匠が教えてくださることはそこだけではなく、挿すときの所作、日本語の使い方、流れについて、そして宇宙という言葉も今日は出てきました。

 特に今日は、私の職業病になっている口癖を指摘されたのが印象的でした。「なるほど」とか「確かに」という言葉をよく使うのですが、それは相手の話を興味を持って聴いているという状態のとき自然にでてくるもので、よく使っていました。いい悪いは別として、無意識でやっていたことが意識化されることで、顕在意識の領域が広がります。気づきのある指摘ありがたいです。

 動作に関しては、私は背が高いので、水を差すときにジョウロについて、全体的に腰をかがめて行うように言われました。

 花を挿すときも、届くからといって、真ん中からいこうとしたら、被らないように後ろから挿すように教えてもらいました。師匠のやり方を観ていると、軸がぶれずとても美しいです。サラダを食べるときに、ナイフとフォークを使うのか? フォークだけになっているのか? それだけで、全然見た目が違います。巨匠から教えてもらうことは、日々無意識でやっていることに気づかされます。

 巨匠は、「人から教えてもらうことはとても大事なこと」と何度もおっしゃっていました。しかし、そこまで生徒に言うと口やかましくなるからと言って、挿し方の所作まで言う先生も減ってきているようです。日本の伝統の美は、こうして人から人へと受け継がれるのでしょう。しかも、そういう人と出逢わないと、教えてもらえないのです。

 さて、今日も1つ作品が出来上がりました。最初に巨匠に生け方を見せていただいたあと、自分でも挿してみます。家に持ち帰り、再び生けたのものがこちらです。

 相変わらず、花器がなく家の食器ですが、この器なかなかしっくりきました。柳、椿、菖蒲です。

 最初に、柳を真に挿し、2本目の柳を副に挿し、3本目は菖蒲を控に挿しました。それから、従枝をバランスを見ながら、真副控の2等辺三角形の中に挿していきます。

 今日、はっとしたことは、◎おくゆき◎まくように(つながり感)という言葉でした。巨匠のを踏まえながら、一度全部抜いて、次は自分でも生けてみました。初めてにしては、よくできたとおっしゃっていただきましたが、無意識に菖蒲を3つ並べていたところを、「ここに初心者がでている」と。(笑)そこから、奥行きを意識できるようになりました。

 3人のレッスンに、初心者が加わったことで、長年の方々もどうやら再び引き締まっているようにも見えて、シナジー効果が生まれていました。

 来年、生け花はどうするのかまだわかりませんが、とりあえず次回は1月に伺います。その間は、自分で花を買って、基本の生け方を自主練しておこうかと思っています。