日本橋三井ホールで行われている『Immersive Museum:ポスト印象派展』へ。以前に桜やお花のプロジェクションマッピングの展覧会も開催されていたので、そのような構成なのかなと思いきや、体育館のように広い場所に、yogibo-のクッションが配置されて、360℃全ての壁と、座っている床にまでにプロジェクションマッピングという、とんでもない空間だったのです!
逆に言うと、展示室はそこだけです。いつもなら何区画かに分かれているのでその調子だと思っていたので、「え、ここだけですか?」と思わず出口付近のスタッフさんに尋ねてしまったほど。そういえば、スマホをダウンロードしたけど、どこで使うのだろう?という謎もあったので、もう一度入場しました!(笑)
スマホのアプリを開くと、プロジェクターの映像に合わせて、いつの間にか解説がスタートするというテクノロジー。想定外の仕掛けとなっていました。
月曜の夕方でしたが、yogibo-が全部埋まるほどの混雑。私を含む、インスタ映えスポットすぎるので、私もインスタグラムの広告から、この展示会を知りました。若者9割で、おじさんおばさんは、5人もいませんでした。でもおばさんは何が違うのかというと、印象派の本物の絵と現地に触れてきた数が違います。(笑)
セザンヌのアトリエにも行きましたし、ビクトワール山も間近で見ましたし、ゴッホ終焉の地へ行き、テオとゴッホのお墓参りもし、ゴッホが最期を迎えた部屋も入りました。印象派の絵画も、世界中の美術館で観てきました。なので、今まで、振り返りのような時空を感じ、涙なくしては観られない展覧会となりました。
私が中学生の美術の時間に模写したスーラの『グランド・ジャット島の日曜日の午後』からはじまりました。
クライマックスは、ゴッホとゴーガンが共にスクリーンに映し出されたところです。2か月だけのユートピア。二人が同じモチーフを描いていて、それが同時にスクリーンに映し出されました。
ゴッホのあの事件で、二人は別れてしまったけれど、タヒチに行ったゴーガンは、ひまわりをわざわざ育てて、ひまわりの絵を描いたという話がありましたが、そのひまわりが投影されていました。(涙)
ゴッホの絵が、こうして一筆ごとに、花弁のように舞い落ちていく様がデジタルで表現されていて、そんな画家の一筆に思いをはせてみると、画家の過ごした時間(命)を感じとれて、得も言われぬ感動を味わいました。一筆=時間に見えたのです。
解説によると、ポスト印象派の画家たちは、死後の方が評価された人ばっかりだったそうです。評価は別にして、自己探求したいことに一生を捧げた画家たちに、尊敬の念を抱きます。
種を蒔くひとの一筆に、ゴッホの命を感じました。
黄色に輝く眩い星々の瞬きは、時間の表現でしょう。
もしかしたら、ゴッホには、アーモンドの花の花弁が散るさまも見えていたのかもしれない。
以下、1分ほどですが、会場の様子を動画にしています。
絵画というのは、通常2Dのものですが、こうして現代の技術がコラボレーションすることで、また新たなる息吹が吹き込まれ、感動を生み出すものですね。こんな感動するとは思っていませんでした! ゴッホが夢に描いたユートピアがここに! 素晴らしい展覧会をありがとうございました。
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