映画『アーティスト』鑑賞。

映画『アーティスト』鑑賞しました。




アカデミー賞で<作品賞><監督賞><主演男優賞>
<衣装デザイン賞><作曲賞>
5部門達成という快挙を成し遂げたフランス映画です。

白黒、サイレント映画ということで、これまで、体感したことのない域。
果たしてどんな気持ちを体験できるのか? 想像もつきませんでした。

セリフなしで、優雅な音楽だけがずっと流れていて、
途中、一瞬眠くなってしまいました・・・。

言葉のない世界というものに慣れず、正直苦痛感も味わいました。
ですが、そういうのを通り越し、すべてが終わった瞬間に、
ああ、いい映画だった・・・という感想が浮かび上がってきたのです。

一緒に観ていた母は、さすがに上級者。(笑)
感動しまくって、涙を拭いていました。

「ほんとによかったわぁ(涙)」と。


私が、普段どれだけ言葉に頼っているのかってこと。
無声のところに、難しさを感じてしまった自分をどこかで取っ払って、
この素敵な映画の中にどっぷり入ってみたかったなぁという気持ちが残りました。

そして、色のない世界。
本当はどんな色の衣装を着ていたのでしょう・・・。

無声・白黒・・・観る方への余白がいっぱいです。
こんなにもそぎ落とされてもストーリーは掴んでいるのです。


映画を見終わってから、映画の公式サイトを見ました。
普通のサイトよりも、ストーリーが結構書いてあるし、
制作秘話も沢山書いてありました。

監督も俳優たちもものすごい知識量を蓄えて、
映画に挑んでいる様子が書いてあり、
観させていただいたことにありがたみも感じました。

つまり、この映画に関しては、先に情報を仕入れてから
観に行けばよかったのかな、というのは一つのアイデアかもしれません。
もう一度観に行く価値もありそうですね。

そこを知った上で、映画の音楽とか、演技、細かいユーモアの部分など
もっと発見できたのだと思ってしまいました。
いつもなら、字幕を追うことで、見逃してしまうシーンも
字幕がないからこそ、見えることが沢山あるのかなって。

とにかく、いつもと違った感情の動きを体感できるような、
いい意味でショックな映画でした。

無声ということで、結局世界中が楽しめるってことなのかもしれませんね。
それに、言葉じゃないところで人はつながれるということ。

こうして、振り返りながらレビューを書いていると、
やっぱり、「うっとり」するような美しい映画だったなあと
じわじわとサイレントのよさが腑に落ちてきている私でした。

やっぱり余白は、それぞれの胸で響くのかもしれませんね。
そして言葉じゃないもの、もっと感じていきたいです。


■予告編



■メイキング