映画『6才のボクが、大人になるまで』 (原題:Boyhood)鑑賞。


 「ビフォア3部作」の監督、リチャード・リンクレイターが、なんと12年かけて映画を撮影していたという『6才のボクが、大人になるまで』 (原題:Boyhood)が、11月14日に公開されました!待ちきれず、初日に母親と鑑賞です!

 概要としては、6歳の少年が18歳の高校卒業を迎えるまでの家族の物語です。主なシーンは、日常生活のなかでも、記憶のカプセルに残るような場面をつなぎ合わせたような淡々とした166分で構成されています。

 12年前の監督の着想。「同じ出演者で毎年少しずつ撮影したら、映画として成立するだろうか? ある家族が12年間で歳を重ねる姿を撮りたかった」というところから、始まったそうです。
 つまり、主人公の6歳の少年、姉、両親というキャストもそのまま12年に渡り、歳を取っていったということです。しかも、その途中経過の編集をキャストも観ておらず、12年してようやく完成を観たそうでした。

 それだけしても、監督が伝えたいことがあった!というところに、尊敬の念を抱いてしまいます。父親役のイーサン・ホーク。『ビフォア』シリーズに続いて、こちらでもタックを組んでいたんですね!母親の最初の夫役なので主人公「メイソン」の実の父。離婚してしまった責任か?この映画の中で、一番いい役でした。
 
 たまにしか会えない父だけれど、週末になると子供たちを迎えに行って、会話や遊びの中から、今必要なことを教え、彼らを導いていました。父と子のシーンが、この映画のなかで最も美しく輝いていました。色々なことがあっても、いつでもブレを修正できるような、自分に戻れるような、私もそんな場所を提供できる人で在りたいと思いながら、あたたかい気持ちになりました。それに、失敗は若いうちにしたほうが、いい大人になれるのでしょうか。



 さて、12年の歳月ですが、こちらの写真を見ると、主人公の「メイソン」の顔がだんだん大人になっていくのがわかると思います。シーンが変わる瞬間というのは、例えば、子供が遊んでいるおもちゃとか、引っ越しして家が変わったとか、主人公の声変わりとか、髪の色が変わったとか、母親が再婚したところとか、そんな瞬間で観客は理解ができ、時が移り変わったのだなと、静かに次のチャプターが開かれていき、どんどん引き込まれていきました。淡々とした中に、誰もが共感を発見をする心温まる映画だと思います。

 
★公式HP
http://6sainoboku.jp/

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