映画『ウォルト・ ディズニーの約束』観賞。

映画『ウォルト・ ディズニーの約束』観賞しました。この日は、お昼から『LIFE!』を観て、夕方から『ウォルト・ ディズニーの約束』を観るという、1日2本立てをしてみたのですが、両方とも号泣で、人生についてとても考えた日でした。

　『ウォルト・ ディズニーの約束』は、雰囲気からして出来上がるまでのサクセスストリー的な印象を持っていたのですが、とんでもない・・・！ウォルト・ディズニーが、メリー・ポピンズ原作者、トラヴァースを癒していく物語なのです。

【あらすじ】

ウォルト・ディズニーが、娘に『メリー・ポピンズ』を映画化すると約束してから20年。ついに原作者パメラ・トラバースに映画化の交渉を挑むが、トラヴァースは、脚本が事実と違うようになることをことごとく嫌う。脚本家、作曲家もどうにか、契約にこぎつけられるように、彼女がどうすれば喜んでくれるのか？　と悩む日々。なぜ、頑なに脚本がいじられてしまうことを彼女は嫌がるのか？　ウォルト・ディズニーは、彼女の背景を理解しようと、毎日、毎日考える。一体、何か彼女をそうさせているのだろうか？　と。そしてようやく、その答えが、幼い頃の彼女と父親との関係にあると知ったウォルトは、映画化実現の最後のチャンスをかけ、トラヴァースにある約束をする。





　映画の流れ方としては、ミーティングシーンと、トラヴァースの潜在意識（過去の様子）が交互に映し出されるので、観る者は、だんだんトラヴァースの背景の理解が進みながら観ていくことになります。

　普段の生活で相手が威圧的な態度をとったら、「自分が悪いのかしら？」と思うか、「相手が悪い！」と思うか、どちらかが多いと思いますが、この映画を観れば、「威圧的な態度の人の心の奥には、過去のこのことが原因だったのか」と理解することができるのです。この映画を観ることで、言葉の裏にある気持ちの存在を想像してみることの大切さに気づかされます。

　感心してしまうのは、そんなに難しいタイプの人ならば、「もう、諦めようじゃないか」と思ってしまうことのほうが、この世の中多いのではないかという中、ウォルトと脚本家、作曲家、ハイヤーの運転手まで、みんな困った顔をしながらも、トラヴァースに歩み寄ろうと奮闘しているところです。これは、まさにディズニーマジックでしょう。

　ウォルト・ディズニーという人は、情熱と想像力と共感する力のある人だと思いました。トラヴァースのことを理解するシーンでは、自分も同じように過去に捕らわれていた話をシェアしています。「想像力で悲しみを癒す」と言ったウォルトの言葉がとても印象的でした。そのトラウマがあったから、『メリー・ポピンズ』が作品となって生まれただろうけれど、これから先へ進むには、そのトラウマを癒す必要もあったのだと思いました。過去に捕われてトラヴァースが、ウォルトに癒されて、ついに映画化が決まり、その後のシーンでは涙が止まりませんでした。
　

　人の弱さに触れ、人の温かさに触れ、理屈ではどうにもできない、心の奥底にあるものの存在を癒すこと。たくさんのメッセージが心の琴線に触れてしまう素晴らしい映画でした。

　それにしても、トム・ハンクス！さすがすぎました。




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