映画『ルノワール』鑑賞。

今年の春。
三菱一号館美術館で行われたルノワール展へ行き、
30代後半に書いたと言われる、肖像画の前で、
私は動けなくなるほど、吸引力を感じてしまいました。

この奥深い青は・・・・!

どの作品にも圧倒されまくり、
印象派と言えば、「モネ」だった私。
「ルノワール」をよく観ていなかっただけのようでした。

映画は、晩年のルノワールの世界。

少し強い風がふいて、葉がざわめきだっている森。
コートダジュールの光あふれる森の中にあるルノアールの家。
そこに、「陽だまりの裸婦」のモデルとなったアンドレが来るシーンからです。




広角でその森が映し出されたとき、
私もそこに居て、風や光に触れている。
そう感じていたのです。

映像から、光、風を感じた映画は、これが初めてです。
色彩が美しい、ルノワール絵画みたいな映画。
音楽も、衣装も、フランス語も美しい。
映像だけで、涙を誘いました。


ストーリーとしてのあるシーンは、
嗚咽のように心の底から涙がこみあげてきました。
とにかく、すごく感じられる映画なのです。


作り手の自我みたいなものは、すっかり消えて、
ルノワールが見ている世界がそのまま再現されていたのでしょう。
美しい光、色彩の捉え方、生き方そのものが、
あのような名画を生んだのか・・・と思いました。


最期の日まで、絵を描き続けていたようです。
自分のことを「芸術家」と呼ばず、「職人」と言っていたとか。
ルノワールの人生についての考え方も、
共感したいと思うところがいくつかありました。


映画の後、あるレストランへ行ったら、カウンター席に通され、
すぐ近くに、若くて美しいフランス人カップルが、座っていました。(笑)


そのあと、三菱一号館美術館へ。
現在、ルノワールの絵画も数点観られるとのことで、
確かめに行ってしまったほどです!!!


なんと言えばいいでしょう。
映画観賞 de 美術鑑賞のような映画。

トレビアンすぎます。
劇場へ観に行ってください!(笑)



映画『ルノワール』公式サイト