映画『リンカーン』鑑賞。

 アカデミー主演男優賞、ダニエル・デイ=ルイスが演じる『リンカーン』鑑賞しました。

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 かなり、セリフの多い映画で、そのセリフの中には、アメリカの政治的な背景も沢山含まれており、知識がないと難しい部分かもしれませんが、なんとなく掴んでおけば、全体的には、物語をちゃんと追えるものにはなっています。

 映画の中で中心となっている話題は、「奴隷制を確実に廃止するためには、戦争が終結する前に第13憲法修正案を可決しなければならない」ということでした。その可決のために、足りない20票を根回しで、かき集めるという、目から鱗の政治の世界を目の当たりにしました。

 また、そのためには、戦争を長引かせる、つまりさらに多くの人命を犠牲にする決断を下すことも辞さなかったのです。きっと、未来のアメリカを見据えて、戦争で犠牲になるひとの死を未来へ意味のあるものと捉えながら、理想を貫き通したのでしょう。ミッションに生きるリンカーンの姿と、リンカーンを支える妻、家族を見ることができました。随所で観られる、リンカーンの小話のシーンからは、そのお人柄もとても伝わってきました。
 
 映画は、リンカーン暗殺の夜まで続いていきました。

 それで、思い出したのが、『声をかくす人』という映画です。あの映画は、リンカーンを暗殺したシーンから入ります。犯人たちにアジトを提供した共犯者として逮捕されたメアリー・サラット(女性)の死刑執行までの物語です。彼女が、命と引き換えに守り抜いた秘密に愛を感じました。また、彼女の弁護士である青年の気持ちの変化に、とても涙したことを覚えています。

・鑑賞ブログ記事


 

 過去の悲劇が、今となっては、平和へとつながっている。日本においては、第二次世界大戦という出来事が、戦争をしない平和な日本へもつながっている。過去を大きく変えてきた人々への感謝の気持ちを改めて感じたのでした。