『遠い夏のゴッホ』観劇。

松山ケンイチさん初舞台とのことで、『遠い夏のゴッホ』観劇してきました。
彼は、色々な役を演じるので、どんな舞台なのかなと興味がありまして。




今回は、ゴッホという名のセミ役ということでした。
せっかちなセミで、自分が孵化する時期を1年早く見積もりを間違えていて、
一緒に孵化して、僕の声を聴かせるよ、と約束した恋人の幼虫と
離れ離れになってしまい、恋人が孵化するまで
1年頑張って生き延びようとする物語でした。

そんな、自然に逆らってまで、愛を貫く姿が演技にとても現れており、
辛さがこちらまで伝わってくるほどでした。

辛いでしょうね。
自然に逆らうこと。

自然を受け容れる昆虫がほとんどでしたし、
大いなるものには逆らえないというセリフがありながら、
逆らい続けるゴッホ。

最後の方は、痛々しくもありました。(涙)

春夏秋冬の描写が、昆虫の視点で語られているのは興味深い視点で、
虫たちの物語が、リアルで存在していそうな気にもなってしまいました。

衣装は、特に女性が着ているものが自然と溶け込んで、
色がとても素敵なものでした。

安蘭けいさん、元宝塚の方ということもあり、
今回、歌のシーンは、すべて安蘭さんという徹底ぶり。
そのときだけ、宝塚になってしまうのでありました。
女王アリさんで、とても美しかったです。

それにしても、この演技を1カ月間続ける松ケンさんも大変そうだなと
心配に想ってしまうほど、熱の入った演技を見させていただきました。
ありがとうございました。