映画『ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!』鑑賞。

 映画『ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!』鑑賞しました。母のオススメということで行ってきました。
 世界最高峰といわれているバレエコンクール、ユース・アメリカ・グランプリ(=YAGP)に挑戦する少年少女の舞台裏、2年間のドキュメンタリーです。




 映画『コーラスライン』を思い出しました。それは、ブロードウェイを目指すアクターたちのドキュメンタリーでした。オーディションに受かった人、落ちた人、演技には大差はないのかもしれませんが、「運」とか「心の強さ」などを主に映し出されていた印象がありました。

 今回の『ファースト・ポジション』は、子供たちを取り巻く大人にも焦点があたっていたところが、だいぶ違いました。バレエを始めるきっかけを与えたのは親かもしれませんが、子供自らストイックに夢に向かっていく姿がそこにあり、周りの大人たちが夢を応援し、支えることに喜びを感じているようにも見えてきました。

 黒人の女性ダンサーは、3歳で内戦で両親を失い、孤児院を経て、今は養子として育てられているのです。「今、ここに居ることが夢のようだわ」と言っていました。家族は、血がつながっていないのに愛情を注ぐ姿も心に残りました。それを見ると、愛を捧げることは、相手を受け入れるこちらの心の準備次第なのだと感じました。だから、愛を捧げようと思えば、誰にもできることなのではないかと。

 11歳のイタリアの男の子アランは、小さいのにオーラーが凄かったです。それは、どこから出てくるのでしょうか? 映画の中でみとれてしまいました。youtubeで、アランの現在のバレエを見つけました。映画は2年前だから、今では13歳になっていました。

★Aran Bell



 12歳の英日ハーフのミコも印象に残りました。バレエをするために、学校へは行かず、自宅学習。父親は、娘のバレエのために、会社に転勤をお願いするほどです。元ピアニストの日本人の母親は、典型的な教育ママタイプで、舞台の直前にミコに「笑顔でね」と何度も問いかけるのですが、バレエの先生から、「笑顔が出ないときもあっていいんだ。僕が指示を出す。黙っていてくれ」と言われるシーンもありました。
あとから、自分がハリキリすぎたのが原因で、本番で転んでしまったのかもしれない・・・・と肝に銘じている言葉も緊迫感が伝わってきました。

ミコのバレエもyoutubeにありました。14歳現在のものです。

★Miko Fogarty



 結局、この映画で感じたのは、環境のせいではなく、自分の志次第で環境が変わっていくのだ、ということです。志に対しての努力あれば、自然と道が開かれるのかもしれません。努力とは、自分で自分に課した課題のように思えます。

 ドキュメンタリーは、ありのままの姿が映し出されている分、きっと、観客それぞれが、受け取れるものが違うのかと思います。感動し、心動かされるドキュメンタリーであることは間違いないです。