映画『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』鑑賞。




 映画館を出たら、心の温度と外気との差がありすぎて驚きました。すぐさま、オンチに歌うメリル・ストリープを自分でも再現したくなって、パブリックスペースにもかかわらず、「ハハハー♪」と、思わず声に出ちゃいました。

 自分が音痴ってことわかっていないんですね。それにはびっくりしましたが、夫が「絶対に文句を言わないお客」ばかりを集めて、献身的に持病の妻を支えているのです。時にはお金で口封じです。こんなに人の夢のために懇親的な人! 私もそういう仕事なので、見習うべき姿勢でした。ちょっとやりすぎですが。(笑)

 マダムフローレンスは、自分の歌がみんなにウケタ! と信じ込んでしまって、レコーディングして、レコードを作って、人々に配りまくって、兵士たちを自ら1000人も招待して、カーネギーホール予約しちゃうんです。

 カーネギーホールを予約してしまった妻の暴走に、夫のシンクレアは、それでも「オンチ」だとは妻に言えず、夢を見させ続けるのです。(涙)オーディションで決まった、とってもソフトなタイプのピアニストのコズメも、自分の名誉のために、「オンチの伴奏はできない」と最初は断るのですが、それでも友として、マダムフローレンスのために伴奏をするのです。どんなにオンチに歌っても、「あんなに一生懸命歌っているんだから!」と拍手を送る人まで!嗚呼、なんてみんな愛に満ちているんだ! カーネギーホール満席じゃないか!

 夢見るマダムを陰で支える人がいっぱい! メリル・ストリープに天使の羽がついた衣装とか、星がちりばめられたカチューシャとか、ファンタスティック。本当は歌がうまいのに、わざとオンチに歌ったというところが、見どころです。

 笑いあり、涙ありの、ハートウォーミングストーリー。母と観に行きましたが、「ヒューグラントがやっぱりいいわよね!」という話になりました。ブリジットジョーンズでなくて、こっちの映画に出ていたんですね。あるシーンで、ダンスするヒュー・グランドも最高でした!あのたれ目のやさしさの表現は、ヒューしかできない!!!メリル・ストリープ&ヒュー・グラント。意外と(笑)いい組み合わせでした!ピアニスト役もはまり役過ぎでしょ。

 夢実現力がすごすぎるマダムフローレンス。ある意味盲目大事ですね。最後のセリフ、最高でした。



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