映画『スポットライト 世紀のスクープ』鑑賞。




 アカデミー賞「作品賞」&14年のコメディ映画『バードマン』のマイケル・キートン、『about time』のレイチェル・マグアダムス見たさに映画館へ。ちょうど、母も観たいと言っていたので、久しぶりに母娘鑑賞となりました。母はリアクション大げさな人なので、「ハッ!」とか、鑑賞中に声を発していました。(笑)
 そう、笑う箇所はどこにもないけれど、とてもスリリングな、ジャーナリストというよりも、探偵的なスクープ映画なのです。

 普通、新聞記者となると、起きた事件を取材する…というようなイメージを持っている人は、私以外もきっといらっしゃると思います。
 ところが、そうでないのが本映画。「スクープ」という意味は、本来そういうためにあるものだと認識しました。記者たちが真実を丁寧に調査、インタビューをしながら、徹底的証拠を集めて、カトリック教会の隠蔽工作をスクープする映画なのです。そして、そのスクープによって、世界が変わっていくというような。

 たった4人の記者が、世界を救ったのです。しかも、本来救済する側のカトリック教会を相手に。

 神父による児童への性的虐待です。信仰心を逆手にNOと言えるわけがありません。しかも、悪質なことに貧しい子供を狙い、隠蔽するための口止め料を払って。それは、一人の神父の犯した事件ではなく、統計学的にボストンの6%の神父がそういうことをしているだろうと、予測が立ち、実際に記者たちが調べてみると、87名もの該当者を発見するのです。

 子供のころ被害を受けた、今は大人になっている人たちの取材。辛い出来事を話すとき、大人なのに泣き出してしまうほどなのです。その裁判でお金を貰っている弁護士にも取材のメスが入ります。被害者の名前をもちろん知っていますが、それが飯の種ですから、悪いことであっても、なかなか口を開いてくれません・・・・。
 心身ともに辛い取材にもなっていきます。使命感を持ったスポットライトチームの大奮闘ぶりに、感情移入していくでしょう。
 ドアベルがなるだけで、そりゃドキッとします。ばれたのではないかと…。命がけの取材。新聞発売前夜のドキドキ感、そして当日朝で、ようやく観ているほうも、報われた気持ちになるのですが、そのあとのラストテロップ、今ここで涙?! 信じられないところで涙が溢れてきました。