映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』鑑賞。

 かつてスーパーヒーロー映画でスターになったリーガン・トムソン(マイケル・キートン)。その後落ち目の俳優となり、20年後、再起をかけるためにブロードウェイの舞台に立つというストーリー。第87回アカデミー賞で、作品賞、監督賞、撮影賞、脚本賞を受賞! ワンカットで撮影。字幕が黄色。それくらいの情報で映画館へ。しかし、最初のほうのシーンで、上から樽?みたいのが落ちてきたり、俳優が裸になったりしたので、「これってコメディー映画?」と気づき始めました。(笑)





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 ところが内容は、自分に存在意義を求める物語。
 心の中にはもう一人の自分、「バードマン」がいつもささやいている。父親に失望している娘はドラッグに手を染め、今はリハビリ中だし、離婚した妻への罪悪感も持っているし…。過去の栄光だけが自分の支えで、全然現実を見られていない…という、寂しい物語でもあるのです。

 「昔の俺は強かったのに!なぜいまは上手くいかないんだ…」
だけど、本当に申し訳ないですが、(笑)そのような心境の主人公に次々と巻き起こるハプニングにとにかく大爆笑で、映画館で声を上げて、何度も笑ったのなんて、久しぶりでした。

 出演している俳優陣は、かつてヒーローものにでていたことのある人たちで固められているという背景を知ると、もっと楽しく見られるし、劇中で売れない女優を演じるナオミ・ワッツは、本当に30歳まで売れない女優だったそうで、「売れない女優の役」を何度もしたことがあるそうですし、マネージャー役にハングオーバーでトラブルメーカーのアラン役だったザック・ガリフィナーキスも出ていますし。映画好きが観ると、より楽しめるような内容になっています。

 映像と音楽がとてもCOOLで、ただ部屋に流しておきたいインテリアにもできそうだと思いました。
 とにかく、見たことがない!新しい映画だなという印象も持ったのです。観終わったあと、なんだか爽快な気分になって、いいものを観させてもらったわ!とニヤニヤがこみ上げてきました。

 プロダクションノートの監督のコメントを早速チェックしてみると、「私は以前から、40歳を過ぎたら、自分が恐いと思わないことはやる価値がないという意見だ」とありました。
 私も40歳を過ぎたばかりで、今まで封印していたことを表現したのが12日前の講演でした。そんな矢先にこの言葉を目にして、そうだ、そういう40代を過ごそうととても思わせられました。

 楽しかった!