『The Founder』邦題:ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(マクドナルドの話です!)鑑賞

 Brooklynにおりますが、機内で映画を観てしまったのでレビューを書いておきます。元マクドナルド社員として、共感&興奮しながら2回も観てしまいました。日本では2017年7月下旬公開予定のようです。



 『The Founder』(邦題:ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ)です。ちょっと邦題がクールではないので、どうしようかと思ったのですが、ビジュアルを見たら「マクドナルドのことじゃないか!」と気づきました。『マクドナルド』を創始者レイ・クロック氏の実話です。
 元マクドナルド社員として「レイ・クロック」のことと「マクドナルド兄弟」のことと、よくわかっていなかったようです私は。この映画を観て、「そうだったのか!」と今更わかりました。(笑)

 マクロナルド兄弟に、レイ・クロックがシェイクミキサーを売りに行き、なかなか売れなかったモノなのに8台も注文が入るんです! それでびっくりして現地に行ってみると、さらにびっくり。注文したものが30秒で出てくる?! というスピードとクオリティーの高さ。しかも、フォーク、ナイフなしで食べられる! というところも画期的すぎて、レイ・クロック氏が感覚的に「マクドナルドに関わらなくてはいけない!」と思うのです。それで、再びマクドナルド兄弟に会いに行き厨房を見学させてもらうことになります。

 レイ・クロックは、効率的&画期的な厨房のシステムに感動し、「君たちの話が聞きたい!」とまた一歩近づきます。マクドナルド兄弟が何度も失敗と検証を重ねた挙句にできたシステムであることを知りました。そこで新しもの好きのレイ・クロックは、「フランチャイズで店舗を増やさないか!」と話を持ち掛けます。すでに数店舗フランチャイズも作られていましたが、クオリティーを保てるか不安だからということで、マクドナルド兄弟はこれ以上店舗数を増やしたくないというNOの姿勢。しかしレイ・クロックは、強引さと情熱で、すごい勢いで加盟店を増やしていくのですが・・・。

 ところで、主人公のレイ・クロックを演じているのは、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でアカデミー主演男優賞にノミネートされたマイケル・キートン。超、ぴったりすぎて感動です。(笑) マクドナルド兄弟は知らない俳優さんでしたが、これまたピッタリな気がしてこの映画すごいです。監督は伝記物専門?『ウォルト・ディズニーの約束』のジョン・リー・ハンコック。

 マクドナルド兄弟の作ったシステムは、これぞマクドナルド基本のQSC+Vという感じで、無駄のない厨房システムにトレーニングシステム。マネージャーがフロアーコントロールをするシーンなど、まさに私がマクドナルドでやってきたままであったので懐かしく観ていました。油の温度やポテトの塩加減など懐かしいな~。

 レイ・クロック氏が真面目にフランチャイズをやってくれる人を探しているシーンがあり、ユダヤ人が生活のためにキリスト教を広めているところを目撃し、「フランチャイズやってみないか?」と話を持ち掛けるところが、個人的に面白いなと思いました。ある意味、フランチャイズ展開をするという場合、布教活動のようなものになるのではないかと思うからです。「この教えの通りにやってください」ということですから。そこで、宗教を広める人たちにフランチャイズの話を持ち掛けたというレイ・クロック氏の視点の凄さを感じました。

 機内特典として、感覚に染みこませるように2回観ました。これは夢を叶える話なのです。
 マクドナルド兄弟も夢はあったのですが、レイ・クロック氏の夢のほうが大きかったんですね…。とにかくスケールの大きな話で、観た後は誰でも興奮冷めやらぬ・・・ということになるでしょう。元マクドナルド社員として、マクドナルド兄弟&レイ・クロック氏の後輩で光栄に思えました!

★予告動画 http://www.imdb.com/title/tt4276820/videoplayer/vi1128052249