映画『未来を花束にして』鑑賞。




 キャリー・マリガン、ヘレナ・ボナム=カーター、メリルストリープという、ものすごい豪華な組み合わせ! それが目当てで鑑賞しましたが、内容は敬服するもので、勇気を与えてくれる、じわじわと来るものでした。しかしながら、ゲリラ的な騒動が多いので、映像が非常に揺れます。私は三半規管が弱いので、薄目で対応です。でもそれこそれが、身体まで応える歴史の重みなのかもしれません。

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★あらすじ

 1912年、ロンドン。洗濯工場で働くモードは、同じ職場の夫と息子と3人暮らし。ある日、洗濯物を届けることを命じられ、その途中で、次々に店のウインドウ割るという、ゲリラ的な騒動に巻き込まれる。それは、女性参政権運動を展開するWSPU(女性社会政治同盟)の女性の参政権を求めての行動だったのです。

 そこで、核となる人物サフラジェットとの出逢いとなります。モードは、そんな運動に巻き込まれたくなかったのですが、あるとき、下院の公聴会で証言を知人の代わりにすることになり、そのとき「違う生き方を望んでいる自分」を発見し、そのまま一緒に行動することになっていくのです。

 あるとき、カリスマ的リーダーのエメリン・パンクハーストの演説の場に参加し、さらに感化されて、モードも運動の主軸となっていくのですが…。過激派と紙一重なWSPU。何度逮捕されてもめげずに、未来の女性が「女性の参政権」を持てることを願いながら、「言葉より行動を」とっていくのです。

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 こんなに女性が不利な時代があったのかと、そして戦ってきた女性たちがいたのだと、ありがたい気持ちでいっぱいになりました。女性らしく、犠牲者を出さないことは守りつつ、つぎつぎと、世界の注目を浴びさせるような作戦で、爆薬を使ったり、破壊していくのです・・・。こんなにも強い人たちが、実在したことに本当に驚きました。

 演説のところしかでてこなかった、メリル・ストリープは、さすがの演技過ぎて、終始、短調なメロディーが流れる中、本当に希望の光に感じられました。キャリ・マリガンも、やはりすごい女優さんです。マイケル・ファスベンダーとの『SHAME』に出ていた、あの妹役をやった人だと、微塵も感じさせない、迫真の演技。『グレイトギャッツビー』のディカプリオの相手役とは、180度違いました。ヘレナ・ボナム=カーターも、いつも不思議な存在を醸し出す個性的な女優さんで、一瞬にして1900年代の世界に引き込んでくれるようでした。

 言葉にならない、衝撃のラスト。



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