Athlete Talk 土井陵さん 「TJAR」@ TNF Sphere

 ノースフェイスにお勤めのクライアントさんから、TJARで1位の土井さんのトーク(なんと無料!)があるということで、お知らせいただきました。社内からの情報でなく、たまたまアプリで知ったそうなのです。なので、既に午前、午後、各18名満席のキャンセル待ちとなっていました。そりゃそうですよね。レジェンドのお話が聴けるのですから・・。

 とりあえずキャンセル待ちを申し込みました。2日後の午前中にキャンセルメールが来まして、急いで予約フォームに記入すると、なんと予約が取れました!「隊長ならキャンセル分が回ってきそうですね」とクライアントさんも予言してくれましたし。(笑)

 先月はじめて知った大会のことでしたが、夢中になって選手たちの様子をGPSで追ったり、インタビューを見たりもして、日本アルプス横断の過酷なレースに参加できる選手たちにも興味が湧いていて、リアルでお話を聴いてみたい!と思っていたので、願いが叶ってびっくりです! 

 TNF Sphere 5Fのイベントスペースに到着。まだ誰も席に座っていない…。土井さんに最も近い席に座る一択でしょう。(笑) 開始まで土井さんのウエアーや持ち物などの展示を触ったり、見ることができました! ノースフェイスが土井さんモデルのリュックを作ったそうで、そぎ落とした上、開けなくても簡単にとれるようになっているようです。この土井モデルのカバンが、年末に限定発売されるそうですよ!

 さて、土井さんが入ってこられました! スラっと背が高く、顔が小さい! 半径一メートル以内で、一流の波動を浴びました。

 TJARに出ようと思ったいきさつ、選考会まで、本番、その後、これからのことなど、時系列でお話くださいました。すべてが経験談ですからね。どんどんお話に引き込まれました。

 こんな過酷なレースをトップで完走できる人の思考ってどうなっているんだろう? ということにも興味がありました。

 土井さんの荷物のセレクトには無駄がない。そして行動も無駄をなくして、自身の最大の潜在能力を発揮できるように設計されてる。試走を何度も重ねた上で、シミュレーションを実行できるレベルまで落とし込んでいました。食べ物に関してもカロリー計算を緻密にされ、小さくても高いカロリーなグミのようなものを選ばれていました。

 努力と計画力。そしてそぎ落とす思考。トレラン、山登りに限らず、やはりそぎ落とすことは、自分の最大限を引き出す鍵なのでしょう。

 土井さんは関西弁でした。「あるとき ないとき」と言って、「ここは大阪ではなかったですね」と訂正されていました。www ということで、随所にウケ、オチも計算されていました。これはトークショーでしか味わえない美味しいところです。(笑)

なんといっても、夢を叶えた人の話でもあります。美しき名言の数々をメモしました!

📍メモ
「行けたら行こうではなく、行こう」
「試走で不安軽減」「使命感で回復」
「先に進んだら行けちゃうもの」
「寝る場所を決めていた」

🔖土井さんルール

「涼しい時間帯にロード」
「軽い食料で高カロリー」
「ツェルト張らずに、低い標高で休む」


ゴールの話も印象的でした。

「皆が雨の中待っていてくれたことに感動し、ゴールしました。もっと、こみ上げてくるものあるのかな?と思ったら、意外と冷静な自分がいて。嬉しかったと言えば嬉しかったし、達成したと言えば達成したんですけど、優勝して嬉しいとか、新記録出して嬉しいというよりも、多くの人に応援されて、幸せだなと思いました。過酷なレースだからすごいとかでなく、このレースを一生懸命作って貰ったり、チャレンジする選手たちを見て、多くの人の気持ちを動かして、応援してくれる人が増えて、大会を作ってくれるひと、これまでの選手のお陰もあって完走できて、多くの人に迎えられて感謝の気持ちが湧いてきました」


 そんな風に周りのことも見えている土井さんだからこそ、優勝もされたのだなと、改めて感じました。

 最後の質疑応答で、2つ目の質問を誰もしないので、急遽質問させていただきました。「土井さんは、ミニマリストですか?」と。答えは、「YES」。やっぱり! その思考もトップの秘訣なような気がしました。お子さんからのプレゼントは捨てられないそうですが!

 最後に、みなさんとの写真撮影にも応じてくださり、神対応ありがとうございます。ちゃんと山モチーフのTシャツを着ていきました。どう考えても山一択でした。登山初心者にとって、最高峰の土井さんとの2ショットは標高差がありすぎますが。(笑)

 TJAR 1位の舞台裏、トーク力に引き込まれ、2時間があっという間に過ぎました。2時間あればきっと一山登れるのでしょうか!土井さん、本当にありがとうございました。

「行けたら行こうではなく、行こう」の精神で、これからも生きたいと思います。


◎こちらにも別視点で書いています。