辻井伸行さんプレミアム・リサイタル2021 ショパン:エチュード@紀尾井ホール

 今年4回目の辻井伸行さんのピアノリサイタルへ。紀尾井ホールのバルコニー席です。チケット発売開始の1時間後に気づいたので、バルコニー席になってしまった…のですが、一緒に行く方が、「この席、憧れだったんです!」と言って、喜んでくださったのでよかったです。(笑)

 バルコニー席の中でも、最前列舞台の真上ですので、辻井伸行さんのお顔はよく見えました! それにバルコニー席から見渡せる紀尾井ホールは、結構小さいことに驚きました。だからすぐにSold outしてしまうのでしょうね。

 バルコニー席の椅子は、バーカウンターのように高くなっており、足置き台がついています! 紀尾井ホールの椅子の座り心地は最高で、身体をソファーに預けられる硬さで、ひとシャワー浴びてき私は、ものすごくリラックスできました。

 バルコニー席からの風景をイラストにしてみました。カウンターチェアーのような足のぶら下がり方で、眼下に辻井さま。宇宙遊泳のようでした。

 演目は、ショパンの作品で最も人気の高いエチュードの連続演奏です。アンコールも含め、全部で30曲ありました! 

 エチュード作品10:滝・別れの曲・黒鍵・革命など。エチュード作品25:エオリアンハーブ・蝶々・木枯らし・大洋などが有名です。聴いたことのある曲がたくさんあるのですが、いつも曲名が思い出せないです。(笑) 

 そもそもエチュードとは、「練習曲」です。最初の作品10-1『滝』の前に、辻井さんがピアノの鍵盤を何往復か念入りに拭いていました。それもそのはず、最初の曲は、低い音高い音を何往復もする曲なのです。

 ものすごい滝行でウォーミングアップをしてしばらくすると、別れの曲が聴こえてきました。辻井さんの演奏が、さらにキレキレになっていて、1つ1つが粒ぞろいのクリアで美しい音だけでなく、若さ、勢い、情熱を感じられ、カッコイイ!Cool! な、新しい辻井さんを発見しました。年齢を重ねるごとにさらに深化されていくとしたら、どうなってしまうのか!

 そして今回、とても印象に残ったのが『革命』です。フジコ・ヘミングさんがよく演奏されるショパンとの比較をしながら聴いていました。

 フジコさんは、ジワジワ、ジリジリくる革命なのですが、辻井さんは、ものすごい情熱的な革命で、一瞬にして終わりました! 二人の『革命』を比べられるYouTubeがあったのでリンクします。

 紀尾井ホール、割れんばかりの拍手。辻井さんがそれに答えるように、3曲もアンコールしてくれました! 相変わらずタイトルがわからないのですが、最後ははじめて笑いながら演奏されていました! 

 クラシックお決まりのあいさつ、出たり入ったりを繰り返すのですが、途中で辻井さんがおちゃめに歩いてきてお辞儀をし、椅子に座ろうとすると、会場がちょっと「ワー!」とどよめきました。最後まで完璧な演奏で、辻井さんも今日はよくやった!と感じていらっしゃるようにも見えて、こちらも満足です! 贅沢な時間をありがとうございました。次回は10月のチケットを取っています!