10か月ぶり!フジコ・ヘミング @オペラシティ ソロリサイタルへ。

 本来なら4月のコンサートだったのですが、コロナ延期となり、7か月後の本日となりました。4月の段階では、今年はもう無理ではないかと思っていたので、秋にコンサートが開かれるなんて、キセキ的です! 私は、今年の1月のフジコ・ヘミングさんのソロリサイタル以来でした。そのコンサートのあと、フジコさんはお休みに入られるということでParisへ! でも間もなく世界はコロナ禍になりました。フジコさんはロックダウンのとき、Parisにいらしたのでしょうか? もちろん、ヨーロッパのコンサートも中止で、久しぶりの東京公演でしょう。お歳ですし、フォロアーとしては心配していました…。なので出てこられたときは、お元気であること嬉しく思いました!!!

 しかしながら、本日のフジコさんは手に痛みがあったらしく、リストの曲のとき「若い時は力強く弾けましたが、手の痛みがあって、老いぼれです…。これは難しい曲なので、代わりに‥‥」と、フジコさんがマイクでおっしゃって、曲が変更になったのですが、その曲もものすごい指を使う曲でしたので、驚きました。今回の席は前から6番目の左端のほうでしたので、フジコさんの手元がよく見えたのです。40代の私よりも、フジコさんのほうが指が動いている!(笑)

 先月ポーラ美術館でモネの睡蓮を見ました。その睡蓮は、白内障になったモネの描いたもので、睡蓮とは思えない、ダークな色のぐるぐるな睡蓮だったのですが、なんかすごくぐっとくるものがありました。心の目で描いたのかしらと。

 フジコさんの演奏も巨匠の境地。心で弾かれています。音の強弱は、お歳もあって、若い時よりは曖昧になられています。それが、今弾ける音。ライブで87歳の今の演奏と生きざまを表現していらっしゃる。尊敬しかありません! 私の隣に座っていた70代くらいの方が、私の方を向いて、「あんなに手が動くなんて、本当にすごいわよね」と同意を何度も求められました。隣に、娘さんらしき方が座っているのに!(笑) 

 今日の私のベストヘミングは、ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」。

「亡き王女のためのパヴァーヌ」は長調と短調が入り混じった、明るいのか暗いのか判別が難しい音楽なんだそうです。フジコさんの演奏にとてもとても感動しました。

(Facebook写真より、リハーサル中のフジコさん)

 指の痛みがおありながらも、約90分を完奏されました。弾ける限り、私達に届けてくれる、その心意気が素晴らしいです。シルバー世代にとって、コロナで体力が落ちた人も多い中、87歳のフジコさんは、本番のある生き方。感服です。2021年のコンサートの案内も入っていました。まだまだ弾くおつもりです! 日本ではコンサートが再開催されるようになって、本当に幸せでした。またお伺いさせていただきたいと思います。お元気で! 


p.s. コンサートの後のカフェトーク。