バレリーナシューズにヒールがついた一足。

ヒールのある靴を履かなくなってから、かれこれ15年ほど経つかもしれない。

すっかりスニーカーが相棒となった日常のなか、いつものようにZARAのアプリで秋冬の新作をチェックしていたときだった。画面に現れたのは、なんとレザーのバレリーナシューズにヒールがついた一足。かつて見たこともない新鮮なデザインに「これだ!」と。

迷わずいつもの「39」サイズをポチり、到着を心待ちにする。しかし、届いた靴に足を滑り込ませた瞬間、思わずフリーズした。……キツい?!

すぐに「40」サイズへの交換を手配。翌日届いた靴に足を通すと、今度はまさにシンデレラフィット!あつらえたように心地よく収まってくれた。

15年ぶりのヒールだからキツく感じたのか。長年のスニーカー生活で足が伸び伸びと大きくなったのか。はたまた、今までは少し無理をして39を履いていたのか——。

理由はいくつか思い当たるけれど、一番の教訓は「自分の足のサイズを決めつけてしまうこと」こそが、足にとって何より良くないということだ。靴はまるで登山靴を選ぶときのように、その時々の足と慎重に向き合って選ぶべきなのだと思い知らされた。

ラウンドトゥの優しいフォルムに、少し丸みを帯びた愛らしいヒール。ゴールドにも惹かれたけれど、今回はまず万能なブラックを手に入れた。

普段のカジュアルな装いはそのままに、足元だけをいつもと違う表情に変えてみる。15年ぶりのヒールを履いて、静かにリニューアルオープンだ。