★12days of London 【Prologue】

 2014年5月中旬。高校生以来の発熱38度を記録しました。熱を出したことがほとんどないので、体温計や熱の薬が必要であることすら思いつかず、悪寒がした翌日にようやく体温計を買って測ったところ、38度であることに気づきました。

 熱にうなされた夜中、走馬灯のように、これまでのありがたい出来事がフラッシュバックされ、「後悔が一つもない」「ありがとうと言いたい人がいっぱいいる」人生であることに気づき、涙が止まらなくなったのです。 
 これは体からのサイン=スピリチュアル熱だなと勝手に解釈し、熱の意味をさらに考えていました。きっと、熱によって私のもう要らなくなった部分が燃えて消え、新しく生まれ変わったのだなと感じました。

 翌朝、熱が下がったのですが、その2日後、今度はお腹を下しました。土曜の朝でしたが、近くの病院が空いていたので、薬を処方してもらえました。病名は不明なままでしたが。そして、1日半のプチ断食を強いられ…。

 その数日間は、外に出られず、ベッドに横になっていたのですが、そのとき今年の旅行についてふと考え始めたのです。「いつもと違うことがしたいけどなんだ?」と問いかけると、「短期留学!」とすぐに答えがやってきました。27歳のとき、転職と転職の間にすることがなくて、2週間NY短期留学へ行ったことがあったので、思いつきやすかったのもありました。きっと新しく生まれ変わった私は、よりよい短期留学になるだろうと12年前との自分との感性の比較もしてみたくなりました。
 場所は、ロンドン以外思いつきませんでした。ヨーロッパ好きですし、3年前にお寿司屋で話しかけてきたBallroom Dance世界チャンピョンは、イギリス人だったので、ご縁を感じて。あの出会いから、未完了になっていた英語をいまやらなくちゃ!と、とても思わされたからです。

 留学を思いついた翌日、回復食としてうどんを食べに外出しました。そのとき、うどん屋の外にイベントスペースの”Shibaura House”が見え、「8周年トークイベントをここでやろう!」と思いつきました。

 留学することを決めたら、「今何が必要なのか?」がシンプルになってきたのも感じました。未来の計画を決めると、その手前で選択することに「とりあえずこれ」という選択が減ることにも気づきました。

 滅多にない病気中に2つの大きなイベントのインスピレーションを得たのです。終わってからしてみれば、合計60名のお客様に集まって頂くことができ、私自身も今回エピソードをまとめ上げたことで、たくさんの発見ができました。お客様がいらっしゃることで、私の言葉もどんどん引き出されていったのです。怪我の功名のようでした。全てのことにはこうして意味があるのだと思います。

 5月に留学を決めて、あっというまに10月になりました。その間の5か月間は、熱のときに思ったように、やはり新しく生まれ変わった自分を感じました。それは、私の中でひとりの私に統合されたような、迷いの少ない境地になっているのを感じます。

 留学の10日前、ロンドンのクライアントさんから「トークイベント2の内容をロンドンでもやってくれませんか?」とご依頼を頂きました。色々とやり取りをしながら、「最小5名集まったら開催。場所はカフェで」と決まりました。
 クライアントさんが、ロンドンの日本人の掲示板のようなサイトに告知をすると提案してくださったので、夜中でしたが、素早くロンドン仕様にHPを作り変えました。また、私もメルマガで告知をしました。
 その結果、クライアントさん側で4名、私のフランスのクライアントさんも、日帰りロンドンでご出席されることになり、計5名が決まりました。そのほか、そのイベントに参加したかったけど来られない方もいらっしゃって、代わりに個人セッションをすることになったのです。まさか、ロンドンで仕事をすることになるとは、自分から何もしないのに、自然と世界が動くことを感じました。

 留学、観光、仕事…フル活動の12泊14日。果たしてどんなロンドンが私を待ちうけているのでしょうか。